支局に赴任した今月13日、初めての取材で嵐山を訪れた。その帰り道、初めて舞妓(まいこ)さんを見た。あでやかな着物、華麗な容姿。しばし見とれた。だが、支局に戻ると上司から「あほ、嵐山に本物がおるはずないやろ」と▼舞妓は京都じゅうにいると思っていた。だまされた。いや、見抜けなかった。京都の人は見た目や振る舞いですぐに偽物は分かると、タクシーの運転手さんに聞いた▼記者の仕事はある意味、物事の真がんを見分ける仕事。見慣れていないとはいえ……。まだまだ未熟だ。新人だからといって妥協は許されない。見る目を養うため、舞妓さんの観察に出かけようかと思っている。【橘建吾】
毎日新聞 2009年4月22日 地方版