ちょっとした冒険のつもりが、ちょっとやそっとどころではない危険にまで発展してしまったわけですから、半べそから今にも泣き出しそうになっている真紀ちゃんです。
「ふぇ……やだぁ……こわいよぉ……」
 お酒の勢いが悪いほうに働いてしまったおじさんは、それまでのスローモーな動きが嘘みたいなスピードで立ち上がると、べそをかく真紀ちゃんの手を引いて、繁みのあるほうへと足を向けました。
 ただでさえ人通りがない道なのに、さらに外れた繁みのほうへ連れ込まれたとあっては、誰にも見つかりっこありません。怖くて尻込みしても、おじさんはちっちゃな真紀ちゃんを強引に引っ張ってゆけるほど力が強くて、ずんずん先へと進んでゆきます。
 真紀ちゃんは知る由もありませんでしたが、このおじさん、長年お勤めしていた会社をリストラされた腹いせに、自棄酒を浴びるほどあおったのがつい昨夜のこと、だからといって真紀ちゃんに絡むのもどうかとは思いますが、もうどうとでもなれ! といった心境に陥っているのは間違いなさそうです。
「きゃっ!」
 少しばかり開けたところで、急に手を離されたものですから、尻餅どころかそのまま後ろに転がってしまった真紀ちゃん、ランドセルがちょうどいい具合になって、お尻を上に突き出すような逆さまの格好になってしまいました。
 起き上がろうにもランドセルが邪魔をしますし、後ろにもう半回転しようにも、そこまでの力もない真紀ちゃんのこと、両足をじたばたさせるくらいしかできません。
「やだ……やだぁっ!」
 それも束の間、両手を足に押さえられて、足首を両方いっぺんに掴まれて身動きできなくなってしまった真紀ちゃんのパンツを、おじさんはするっと膝のほうまでずり下げてしまいました。
 ぴたりと閉じ合わされた太腿の間に盛り上がった縦筋に、おじさんの目が細められます。もちろん、真紀ちゃんがついこの間、ロストバージンしたばかりだということを、おじさんが知っているはずもありません。
「やっ! やだやだやだっ! やぁあぁあっ!」
 あそこに吹きかかる湿った息と、そのすぐ後でねっとりと触れてきた舌の感触に、真紀ちゃんは唯一自由が利く首を左右に振って抵抗しました。
ぢゅぷ……ぢゅるりゅっ……ぢゅうぅ……。
 タコみたいに吸いついたおじさんの舌遣いによって、あそこはすでにべとべともいいところですが、それよりもお酒混じりの唾のほうが、真紀ちゃんとって思いも寄らない効果をもたらしたようです。
 というのも、次第に手足の力が抜けてきて、声にもそれまでの勢いがなくなりつつあったのですから。
「やぁ……や……ぁ……ん……」
 嫌なはずなのに、どうしてかあそこからおなかの中にかけてが熱くなって、頭もぼーっとなってきます。
 あそこの粘膜から直接吸収されたアルコールは、ほんのちょっぴりでも、真紀ちゃんを酔わせるには充分すぎるほどで、手足を押さえられていなくても、抵抗らしい抵抗を見せなくなった真紀ちゃん、心なしか声にも甘さが混じっているような気が……。
「……ふん、いっちょまえに濡らして――どら、そろっと入れてやるか」
 そろそろ頃合いだと踏んだのでしょう、立ち上がったおじさんは、やおらズボンのチャックを下ろして、おちんちんを取り出し――。
ふにゃっ。
 あそこに触れたとたん、力なく萎れてしまったおちんちんに、拍子抜けしてしまったのは、おじさんよりもむしろ真紀ちゃんのほうでした。
 その小ささといい柔らかさといい、真紀ちゃんの知っているおちんちんからは程遠くて、期待していたわけではないものの、つい心配になってしまった真紀ちゃん、
「……どうしたの?」
 俯いてしまったおじさんの肩が震えていることを知ったのは、そのときでした。