お弁当はお昼休みに食べるものですから、お昼までに間に合えば充分なはずなのに、ママをお見送りしたあと、居ても立ってもいられなくなった真紀ちゃんは、すぐにお出かけの用意を始めました。 ハンカチとポケットティッシュ、パパのお弁当、それに電車賃を入れたお財布をリュックに詰めて、玄関にしっかりと鍵をかけて、さあ出発です。 駅までの道は、通学路の途中にある交差点を曲がってまっすぐですから、いくらなんでも迷子になったりはしません。ずいぶんとたくさんの人が駅に向かって歩いていますが、真紀ちゃんはみんなが同じ電車に乗るとは思っていませんでした。 駅についたら、まずは切符を買います。真紀ちゃんのいる眞木ノ町駅から、乗り換えなしで十三駅目の終点に、パパの会社の最寄駅があるのは、これまでにも何度か連れて行ってもらったことで承知済みです。 |