「そっか、あたしがお届けすればいいんだ!」
そうすれば、パパもお弁当が食べられるし、真紀ちゃんも退屈しないで済みます。真紀ちゃん、冴えています。
「でも、パパの会社は電車で行かなくちゃいけないでしょ? 真紀ちゃん、迷子になるんじゃないかって、ママ、心配だわ」
ですが、ママは何だか心配そう。
「だいじょうぶだよ、前にも行ったことあるもん」
ここでダメと言われてしまったら、せっかくのお休みの計画が台無しです。だから、なおのこと、真紀ちゃんは自信たっぷりに答えました。
ちょっとの間、考え込んでいたママも、ついに決心がついたようです。パパへの愛情を込めたお弁当ですし、真紀ちゃんもお休みですから、そう思うのも当然でしょう。
「じゃあ、真紀ちゃんにお願いするわね。車に気をつけるのよ」
「うん!」
こうして、真紀ちゃんはパパのお弁当をお届けすることになったのでした。