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環境低負荷「排熱発電装置」、リユースシリコン活用
【その他】発信:2009/04/27(月) 16:07:18
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東京理科大学基礎工学部材料工学科の飯田努准教授らの研究グループは、シリコンウエハー製造や加工工程で大量に廃棄されるシリコン廃棄物から合成した環境低負荷で安価な排熱発電材料”マグネシウムシリサイド(Mg2Si)”を用い、高性能な「Mg2Si排熱発電装置」の開発に成功した。
同研究チームが2007年に世界に先駆けて量産合成に成功しているマグネシウムシリサイド、地中に抱負に存在するシリコンで構成され、原材料の枯渇化の心配がなく、人体や環境への影響もない。そして2008年には、リユースシリコンを安定して低価格で製造する技術開発に成功している。今回開発した装置は、こうした実績のもと、マグネシウムシリサイドを、熱‐電気変換能力をさらに向上させてモジュール化したものだ。
そもそも熱発電の原理は、異なる2種類の物質つなげ、接合部の両端の一方を暖め、他方を冷やすことにより温度差を与えることで起電力を生むというゼーベック効果を利用している。開発した素子単体で約1平方メートルあたり2500Wの発電能力をもち、高温度大気中で3000時間を超える連続使用に耐える実用性能を実現している。しかも、有効温度差が200から600℃と幅広く、各種工業用の炉や自動車をはじめいろいろな産業現場での適用、搭載が期待できる。
飯田准教授の話「開発したものは、素子として構造的にシンプルで、メカニカルな部分がないのが特徴である。最適化した素材の発電能力を考えると、1平方メートル当たり2500W程度と極めて高い。それだけに将来的には太陽熱を使った発電をするといったハイブリット型のソーラーシステムに提供できれば、十分素材の能力を発揮できる」(科学、4月17日号1面)
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