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鉄系高温超伝導体の電子型・ホール型で、共通の対称性を発見
その他】発信:2009/05/01(金) 18:19:00  

  超伝導機構を明らかにする上で最も重要なポイントは、超伝導クーパー対の決定にあるといわれている。ただ鉄系高温超伝導体では、ホール型が銅酸化物高温超伝導体と異なるs波対称性をしめすことが明らかになりつつあるが、電子型ではその対称性が決定させておらず、”超伝導クーパー対の対称性が同じかどうか”という、超伝導発現の根幹に関わる問題が未解決であった。

  東北大学原子分子材料科学高等研究機構の高橋隆教授、同大大学院理学研究科の佐藤宇史助教、日本学術振興会の寺嶋健成特別研究員らの研究グループは、電子型鉄系高温超伝導体の超伝導電子対対称性の直接決定に世界ではじめて成功した。

  高橋教授によると「超伝導のメカニズムを調べるには、その超伝導電子そのものを直接観測して、そのエネルギー状態を調べることが最も直接的です。光電子分光法は外部光電効果を利用して結晶中の電子を真空中に取り出してそのエネルギー状態を調べる実験手段で、ここ十数年来、光電子分光装置の高性能化に取り組み、最近、世界最高水準のエネルギー分解能を達成する超高分解能光電子分光装置(図)を開発できました」としている。

  今回の電子型鉄系高温超伝導体の超伝導電子対対称性の直接決定は、同装置の超高エネルギー分解能を用いることで初めて達成されたものだ。電子型超伝導体(BaFe2−xCoxAs2)の超伝導ギャップを直接観察することで、超伝導クーパー対はホール型と同じくs波対称性を示すものの、そのエネルギーが鉄原子の電子軌道の種類によって異なることを突き止めた。

  これにより、鉄系高温超伝導体では、電子型とホール型両者に共通のメカニズムで超伝導現象を発現している”電子‐ホール対称性”が成立すること。その超伝導発現には、異なる鉄系原子の電子軌道が同時に関与としていること(マルチバンド超伝導)が明らかとなった。

  高橋教授の話「今後は、他の結晶構造を持つ鉄系高温超伝導体のバルクおよび薄膜単結晶や、キャリアをドープしていない母物質についてより精密な超高分解能測定を行うことで、超伝導と鉄の磁性との関係を明らかにしていきたいと考えています」(科学、4月24日号1面)



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