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「私、憲法です。リストラになるってホントですか?」(1/2ページ)

2009年5月2日14時59分

写真:「私自身が憲法なんですよ」と、ネタを披露する松元ヒロさん=4月18日午後、岐阜県中津川市、佐藤慈子撮影「私自身が憲法なんですよ」と、ネタを披露する松元ヒロさん=4月18日午後、岐阜県中津川市、佐藤慈子撮影

写真:ライブを楽しむ観客。笑いながら、知らぬ間に憲法について考えている=18日午後、岐阜県中津川市、佐藤慈子撮影ライブを楽しむ観客。笑いながら、知らぬ間に憲法について考えている=18日午後、岐阜県中津川市、佐藤慈子撮影

 腹を抱えて笑いながら、少しだけ憲法のことを考えてみませんか。芸人の松元ヒロさん(56)は、自分が憲法になりきるネタ「憲法くん」を続けている。毒舌な芸風ゆえテレビではあまり見かけないが、全国の市民団体や小さな劇場からは引っ張りだこ。3日、62歳になる憲法くんは島根県の憲法集会に現れる。

 4月18日、岐阜県中津川市の文化会館。平和をテーマにした市民の集い「ピースジャンボリー」の会場は、爆笑の連続だった。

 「姓が日本国、名は憲法。あまり気安く声かけたりしないように」

 赤い縁の眼鏡をかけて、「憲法くん」になった松元さんが、少し偉そうに言うと、約600人の観客は一斉にプッと噴き出した。

 「千葉にあるディズニーランド。あそこのネズミだって80歳で歌って踊るんだから、私も負けていられません」と、昨年80回目の誕生日を迎えたミッキーマウスに威勢良く対抗。改憲論に触れる時は肩を落とし、「私がリストラになるってホントですか? 困るんですよねぇ。今の日本じゃ、年金出るかわかんないし」とぼやく。

 憲法くんの誕生は97年。当時、社会風刺のコント集団「ザ・ニュースペーパー」の一員だった松元さんは、東京で開かれた憲法記念日の集会で初めて披露した。翌年から独立し、ピン芸人として歴代首相をまねしておちょくったり、時事ニュースをパントマイムで表現したり、年間150回ほどの公演をこなす。その大半で登場する憲法くんは、笑いっぱなしの松元さんのネタの中では異色。観客は次第に真顔になっていく。

 憲法くんは問いかける。「私のこと『現実に合わない』と変えようとする人がいます。でも、私って理想でしょ。現実は理想に近づけるよう日々努力するものじゃないんでしょうか?」

 ハイライトは憲法くんの「魂」である前文の朗読だ。

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