「らくちんランプ」の管理人スパイラルドラゴンです。今日は、2009年5月1日です。
(以下転載)
新型インフルエンザ 「タミフル」製造のロシュ社「治療薬は不足した状態ではない」(by FNNニュース)
インフルエンザ治療薬「タミフル」を製造するロシュ社がFNNのインタビューに応え、今のところ、治療薬が不足した状態ではないことを明らかにした。
ロシュのドイツ広報担当者は「今のところ、タミフルの注文依頼があった人すべてに販売している」と述べた。
これまでに2億2,000万人分の治療薬「タミフル」を製造・販売し、各国の政府が保管しているという。
具体的な期日は決まっていないものの、必要に応じて、新型インフルエンザ用に改良したタミフルの製造も行うという。(04/30 13:03)
(転載終わり)
つまり、「タミフル」の製造元ロシュ社(Roche)の担当者が、現在市場に流通している「タミフル」は、現在世界中に感染が拡大している豚由来の新型インフルエンザに効くとは明言していないのです。
参照:Roche Influenza Information
The WHO and US CDC report Tamiflu is active against this new swine flu virus A(H1N1).
(要約すると、「タミフル」が新型豚インフルエンザウィルスに効果があると発表したのはWHOとCDCであり、ロシュ社では無いということです)
それにしても、このインタビュー記事を書いたFNNの記者も、記事をチェックした上司も、相手の発言内容を理解することが出来ないアホなのか?
なのに、日本の厚生労働省は国民に対し、メキシコ国内で豚インフルエンザが人へと感染し、死者が発生したという第一報を受けた直後から、豚由来の新型インフルエンザの治療薬として「タミフル」を推奨していますし、未だに米国疾病予防管理センター(CDC)から提供されたウィルスの遺伝子解析すら終わっていな段階なのに、昨日国内の医療機関に原則処方禁止を通告していた10代の患者への「タミフル」処方再開を発表しました。
インフル重症なら「10代にタミフル、問題ない」厚労省 2009年5月1日0時54分(by asahi.com)
(以下転載)
10代の患者への投与が原則中止されている抗インフルエンザ薬「タミフル」について、厚生労働省は30日、新型の豚インフルエンザの感染者など重症の患者への処方は問題ない、とする見解を示した。
30日の衆院厚生労働委員会で、同省の上田博三健康局長は「新型インフルエンザの疾患リスクなどを考慮し、適切に使用することを妨げることにならない」と答弁した。
タミフルは、服用後の飛び降りなどの異常行動が報告され、厚労省は07年3月、10代の患者については「ハイリスク患者と判断される場合をのぞいては原則使用を差し控えること」との通知を出していた。
(転載終わり)
つまり厚生労働省が、豚由来の新インフルエンザの治療情報に関してどこよりも信頼を寄せている情報源は、米国疾病予防管理センター(CDC)であり、例え「タミフル」の製造元ロシュ社が、「タミフル」は豚由来の新型インフルエンザウィルスの治療薬としては効果が無いと発表しても、この件に関してCDCに確認もせずに、従来の方針を変更しないばかりか、重篤な患者への積極投与へと医療方針を変更したのです。
厚生労働省の官僚達は、従来からの製薬メーカーとの癒着構造を通して製薬メーカーの意見を最も尊重してきたし、今でも製薬メーカーと情報交換を密に行っているはずなのに、何で豚由来の新型インフルエンザ騒動に関してだけは、製薬メーカー発の情報を無視するのでしょうか?
やはり日本は、アメリカ様の属国だと言うことなのですかね。
他方、横浜市の感染症指定医療機関である横浜市立市民病院の感染症内科の担当医は、昨日豚由来の新型インフルエンザ感染者として搬送された高校生に対して、「タミフル」を投与せよという厚生労働省の強い意向に反して「リレンザ」を投与したようですが、幸いにして高校生の容体は回復へと向い事なきを得ているようなので、いくらKYの厚生労働省の官僚でも横浜市立病院に対して「いちゃもん」をつけることはないでしょうね。
29日の簡易検査では陰性=高校生、「回復に向かっている」−横浜市(by 時事ドットコム)
関連情報:英グラクソ、豚インフルの感染拡大で抗ウイルス薬「リレンザ」増産へ 2009年 04月 28日 08:49 JST(by Reuters)
タミフルをほとんど使わないスイス 2007/03/23 - 15:25(続きを読むに保存)
(以下転載)
日本の厚生労働省は3月21日、インフルエンザ治療薬「タミフル」の10歳以上の未成年患者への服用を差し控えるよう注意勧告を行った。
鳥インフルエンザの対処薬としても注目されているタミフルだが、日本では服用後、異常行動を起こし、自宅などの高所から飛び降り大怪我をしたり、死亡した事件が相次いだことを受けての措置である。
製造元のロシュ ( Roche ) はスイス大手の医薬品会社。日本の厚生労働省の使用制限に対し、ロシュは「タミフルと異常行動の因果関係は実証されていない。世界中どこでも1歳以上の患者に投与することが認められている」と同社広報担当のマルティナ・ルップ氏は事件との関係を全面的に否定した。
風邪は自分で治すスイス
スイスではインフルエンザにかかった子どもに、薬を投与する家庭はほとんどない。「インフルエンザくらいでは病院に行きません」と語るのはチューリヒ在住で、スイス人男性と結婚し2歳の子どもがいる松倉聖子さん( 36歳 ) 。子どもがせきをしていても、医師は処方箋を出してくれない。子どもは3週間ほどせきをし続けたが、最終的には完治したという。「日本の親はすぐ抗生物質を与えるようですが、安易に薬を与えることは良くないと思います。もうスイス式に慣れました」と言う。
スイス人のシャルロット・シーグヴァルトさん ( 47歳 ) は、10代の子どもを4人持つ母親。子どもがインフルエンザにかかっても何もしないのは松倉さんと同じ。「タミフルを安易に使ったら、鳥インフルエンザのときに耐性ができていて効かないかも知れませんね」と薬の副作用のほうが心配だという。
シーグヴァルトさんの夫アレンさん ( 48歳 ) は開業医。アレンさんは大人にもタミフルは処方しないという。販売された当初には、大人で希望する人も多かった。しかし、保険が効かないため患者の負担は60〜80フラン ( 約5800〜7800円 ) であることも理由で、今ではほとんど希望する人はいないという。
「インフルエンザにかかってからすぐ服用しないと効果は見られない」スイスでは、風邪にかかってその日のうちに医者にかかる人はあまりいないという。「しかもその効果も、多少早く回復する程度です」日本の医者がタミフルを処方することについては「文化の違いでしょう。わざわざ来た患者に、何かしなくてはと医師が思うからではないでしょうか」ときっぱり。
ロシュによると、これまでタミフルを服用した患者はおよそ4500万人。そのうち3500万人が日本での服用だったという。
swissinfo、佐藤夕美 ( さとう ゆうみ )
(転載終わり)
スパイラルドラゴン拝