県などの支援を受けたベンチャー企業「バイオラボ」の経営破綻(はたん)問題を検証する県の第三者委員会は9日、金子原二郎知事に提言書を提出した。提言は、バイオラボの放漫経営などを倒産の原因とする一方、同社を支援した県産業振興財団(理事長・金子知事)の経営監視機能についても「倒産などの最悪の事態をそもそも想定しておらず、甘かった」と指摘した。【錦織祐一】
提言書は、ベンチャー企業の支援事業については「政策的意義は無視できない」としたが、「現在の財団の体制では、財務状況を定期的にチェックし、リスクを低減する制度設計になっていない。バイオラボの財務などの情報もほとんど上がっておらず、倒産を想定した議論の形跡すらない」。
さらに、バイオラボ社長の久木野憲司・県立大教授ら経営陣についても「売り上げが計画通りに行かないのに過剰投資を続け、経費削減にも取り組まずにアクセルを踏み続けた」とし、公認会計士らによる外部専門家委員会を設置するなどの改善策も盛り込んだ。
金子知事は「公金を損ねたことを県民におわびする。真しに受け止める」とし、外部専門家委員会設置の方針を明らかにした。
〔長崎版〕
毎日新聞 2009年4月10日 地方版