2005年12月21日にホスピタリティの根っこと「豊かさマインド」という記事を書きました。
この記事の中で「欠乏マインド」と「豊かさマインド」について記しています。
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「欠乏マインドとは人生を一個のパイと見て、他の人が大きな一切れを取ると、自分の取り分が減ると考える。それは、人生をゼロ・サム・ゲーム(一方のプラスが他方のマイナスになり、両方の得点の総和が必ずゼロになるゲーム)と見るパラダイムである。このパラダイムを持っている人は、すなわち人に与えることは自分の取り分が減ると考えてしまう」
ホスピタリティの概念は、欠乏マインドとは反対のマインドです。
7つの習慣では「豊かさマインド」と称されています。
「豊かさマインドとは、『この世界には、私の夢をかなえるのに十分なだけの天然資源、ヒューマン・リソースがある』、そして、『誰かの成功によって私の分が減ることはない。同様に私の成功が必ずしも他人の失敗を意味するわけではない』という骨身に滲みこんだ信念である」
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報道されているように、このままでは世界中で食糧やエネルギーの争奪戦が始まる恐れがあります。人類史上最大の危機が迫っている、少々オーバーですが私はそのようにこの問題を捉えています。
さて、日本はこれまで、お金で他国から食糧やエネルギーを調達するという政策を続けてきました。お金を払いさえすれば食料やエネルギーの絶対量は確保できるという考え方です。しかしながら、この基本政策が行き詰ることも想定されるようになり、私たち日本社会に暮らす人々を不安に落とし入れています。
この先、不安を解消するにはどうしたら良いのでしょうか。私は一つの解答を持っています。この問題の真因をつかんだ上での自信のある解答です。
その解答とは「パラダイム(ものの見方、考え方)を転換する」というものです。つまり日本人の「意識改革」が日本社会に暮らす人々の不安を払拭するということです。
「改革」とは、過去を否定し、全く新しいものをつくりあげるということです。具体的に言えば、パイを取り合うという「欠乏マインド」的パラダイムから、パイを大きくしていこうとする「豊かさマインド」的パラダイムに「意識改革」するということです。
このパラダイム転換は難しいことではありません。日本社会は近年の「構造改革」の疲れから、競争型社会より共生型社会を目指そうという機運が高まっています。まさに今が意識改革のチャンスなのです。
日本社会全体が競争主義的パラダイムから「豊かさマインド」的パラダイムになれば、おのずとこの国の基本政策も変わってきます。
他国のパイの一部を買ってくるという政策から、自国のパイを大きくするという視点での政策に転換していくに違いありません。なぜならば、日本の食糧やエネルギーの自給率を向上させることは誰もが望んでいることだからです。
そして、「豊かさマインド」へのパラダイム転換後に行なうことはたった一つです。それは、食糧や飼料、そして新エネルギーという分野のパイを大きくする、つまり自給率を高めることに全国民のベクトルを合わせるということです。
日本人には、一度大きな方針が示されれば、その方向に向け一直線に進んでいくという徳性があります。この特性を生かすことができれば、この狭い国土から最大限の食糧や新エネルギーを生み出していくは十分に可能です。
私は、食糧や飼料など生き物のエネルギーとなる農産物と森林や耕作放棄地が生み出す新エネルギーを合わせて「農林エネルギー」と呼んでいます。日本人が本気になれば、日本は世界有数の「農林エネルギー」産出国になることも不可能ではない、私はそう確信しています。
私はこの国に対して、いくつかの提言を示しています。本日の記事内容も含めこの国の指導者に届くことを願ってやみません。
※ホスピタリティの根っこと「豊かさマインド」は日本の少子化問題と石油エネルギーの問題について書いたものです。ぜひ、お読みいただきますようお願い致します。