岡谷市は20日の市議会経済建設委員協議会で、2008年度制度資金の実績を発表した。県制度資金を含むあっ旋状況は612件(前年度比255件増)、64億円(28億3000万円増)。世界同時不況の影響を受けて前年度に比べて件数で1.71倍、金額は1.79倍増加した。市は今週中にも市内事業所への企業訪問を開始。経営者の意向を聞き経済対策に反映する構えだ。
あっ旋状況の内訳は、市制度資金が437件(181件増)、23億4000万円(11億円増)。市の緊急経済対策で昨年11月以降に金利負担を軽減した「小口零細企業保証資金」と「経営安定資金」だけで267件、15億円に達した。
使途は、仕事量減少と資金繰り悪化に対応する「運転資金」がほとんど。市工業振興課は「先行きが見えない中で当面の資金として活用する企業が目立った」としている。
一方、県制度資金は175件(74件増)、40億6000万円(17億2000万円増)。業況が悪化した中小企業を国が支援するセーフティネット保証制度の指定業種が拡大されたことに伴い、「経営健全化支援資金(特別経営安定対策)」が112件(105件増)、21億7000万円(20億5000万円増)と大幅に伸びた。
このほか緊急経済対策で行った相談の件数は、昨年11月から今年3月末までに436件。融資相談が376件に上った。市は今後も市役所4階とテクノプラザおかやに窓口を設け、希望があれば企業に出向いたり夜間や休日の相談にも応じる。
企業訪問は、市内事業所650社を対象に1年間かけて行う方針だ。職員やアドバイザーが1日3社程度訪問する。産業振興担当の宮沢昇副市長は「工業、商業ともに厳しい状況にある。現場の情報をもとに行政にできることをやる。近々何らかの対策を出したい」と話していた。