【死者続出中】誰が何のために!? 2種類のウィルスが合成されている
ロシアが把んだ! 「SARSは作られた伝染病」
■単独のウィルスではない
■外形的には自爆テロだが
外形的には自爆テロだが
 SARSが生物兵器だとすると、いったい誰が作ったのか。ロサンゼルス在住の貿易商で、米国の情報機関と交流のある水谷欽一氏が、こう語る。
「SARSが報道され始めた3月、SEAL(米国海軍特殊部隊)やCDC(米国厚生省疾病対策・予防センター)に関わっている医師に直接聞いたところ、『ウィルスの発生の仕方が不自然だ』と答えました。理由は中国側の対応です。昨年秋から広東省で広がりだしたにもかかわらず、中国政府は今年に入って香港で感染者が拡大するまで、情報を抑えていた。WHOやCDCが広東省の調査を申し入れたのに対して、当初、中国政府当局が断った事実もある。WHOの調査団が現地入りしたのは4月に入ってからですが、それまでに中国側は原因を隠蔽する時間があった。米の研究機関は、広東省に何らかの研究施設があったと見ています」
 前出の常石氏も、米国政府の中国原因説に対し、やむを得ないという見方をする。
「香港の大学教授がこう指摘しています。『最初に香港にSARSを持ち込んだ広東大学の医者は、熱があって体調が悪かったのに、なぜ香港まで来たのか。そのために香港でこれほど広がってしまった。これは外形的には自爆テロだ』。中国政府がウィルスが広まった最初の原因について秘密にするから、その医者が新型ウィルスの開発中にミスをして流出したのではという疑問が生まれるのです」
 一方で現在、ロシア政府中枢には「SARSはブッシュ政権がイラク攻撃から世界の目を逸らすために、“将来の敵”中国に撒いたもの」という、アメリカ原因説を唱える文書が流れている。どこの国にも謎のウィルスを開発し、それを使ったテロ行為を起こす動機があるということかもしれない。日本政府はこの情報を収集し、対策を練っているのだろうか。
「当初の段階ではバイオテロの可能性について話題になりましたが、WHOが否定したので、テロ説についての情報は集めていません」(厚生労働省結核感染症課)
 本誌は先週号で、日本国内にSARSの疑いがある国際線パイロットの死亡例があることを報じた。厚労省はそのケースについて、担当記者や医師たちに「疑いなし」と躍起になって否定しているようだ。が、厚労省は3月中旬の段階でも専門医たちに対して、「SARSは感染力は弱く、感染地域も限られている」などと説明していた。死者、患者数とも大幅に増えている現状からすると、この省庁の情報収集能力、分析能力はアテにならない。
「もしテロ目的で人工的に作られたウィルスであれば、もっと強力なものを作るはずだし、アジアだけでなくもっと広範囲に広まるよう工作するはずだ」(微生物管理機構代表・田口文章氏)との否定的見解も一部にはある。しかし、ある日突然、原因不明の病気を爆発的に流行させるスタイルこそが、「バイオテロ」である。
 日本が標的にされたら、政府・厚労省の隠蔽体質も手伝って大パニックに陥ることは想像に難くない。「SARSは作られた生物兵器」という説を、早急に検証してみる必要があるはずだ。



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