2009年4月17日13時41分
40を超える国や国際機関の代表がパキスタンの安定化策について話し合う国際会議が17日、東京都内のホテルで始まった。麻生首相は冒頭のあいさつで、パキスタンに今後2年間に最大10億ドル(約1千億円)の支援を行う方針を正式に表明。「パキスタンの安定なくしてアフガニスタンの安定もない。特に国境地帯の安定が鍵だ」と訴えた。
国際テロ組織アルカイダやイスラム原理主義勢力タリバーンは、アフガンとパキスタンの国境地帯を拠点にしている。このため、オバマ米大統領は先月公表したアフガン新戦略で、パキスタンをアフガンと一体として重視する考え方を強調。麻生首相はこの点に触れた上で「両国自身による包括的な戦略づくりを国際社会が後押しすべきだ」と各国に支援を呼びかけた。
パキスタンのザルダリ大統領は「みなさんの関心をこの地域に寄せて欲しい。非常に大きな課題に取り組む私たちを支援して欲しい。我々が負ければ世界も負けるのです」と訴えた。
午前中に開かれたのは、パキスタン政府主催で、同国の中期的な戦略に各国が政治的な支援を表明する「フレンズ(友好国)閣僚会合」。午後には日本政府と世界銀行の共催で、経済支援を取りまとめる「支援国会合」が開かれ、参加国全体で約40億ドル(約4千億円)の拠出が表明される見通しだ。(五十嵐誠)