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豚インフル防止に各国躍起 中国「すみやかに公表」(1/3ページ)

2009年4月28日22時43分

写真:台湾の彰化県にある豚舎で27日、消毒剤を噴霧する作業員=ロイター
台湾の彰化県にある豚舎で27日、消毒剤を噴霧する作業員=ロイター

 豚インフルエンザの感染拡大を受け、世界中の国々が対応に追われている。6年前の新型肺炎(SARS)の流行で多くの死者を出したアジアでは、当局が警戒を強め、空港での検疫を強化。欧州などでも米大陸への渡航自粛を呼びかける動きが出ている。

 ●韓国

 韓国の保健福祉家族省は28日、国内で豚インフルエンザに感染した疑いがあるとした51歳の女性を、病院への隔離が必要で感染の疑いが濃い「推定患者」に格上げした。19日からメキシコ南部を旅行して26日に帰国した。熱、せきや鼻水の症状があり、抗ウイルス薬で治療中。同じ帰国便に乗っていた315人の追跡調査もしているほか、女性と同じ建物にいた40人に抗ウイルス薬を投与した。

 「推定患者」発生を受け、同省は伝染病に関連する国家的危機状況を4段階で表す「国家災難段階」を、最低レベルの「関心(ブルー)」から3番目の「注意(イエロー)」に引き上げた。李明博(イ・ミョンバク)大統領は28日夕、緊急関係閣僚会議を開き、「国民が不安に陥らないよう、情報収集や防疫体制などを徹底してほしい」と指示した。

 ●中国

 中国政府は28日、国務院常務会議で対策を協議。衛生水準が低い農村で発症すれば急速に広がる恐れがあり、温家宝(ウェン・チアパオ)首相は「中国に侵入する可能性は排除できず、警戒を怠ってはならない」と指示した。

 03年にSARSが流行した際には、情報隠しが感染拡大を招いたと批判された。会議では新型インフルエンザの通報制度創設を決め、各部門に「感染が疑われる症例が見つかったら、すみやかに公表する」ことを通知した。

 衛生省は28日、世界保健機関(WHO)北京事務所とも協議。同事務所の担当者は「中国で感染を懸念する具体的な状況にはない」と話した。

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