朝青龍、総見復帰の内館委員に「奇襲」
横綱朝青龍(28=高砂)が「天敵」の内館牧子氏(60)に奇襲を仕掛けた。29日、東京・両国国技館で横綱審議委員会のけいこ総見が行われ、昨年12月に心臓弁膜症の手術を受けた同委員で脚本家の内館氏が手術後初めて出席。朝青龍はけいこ後、内館氏に歩み寄り、「心配してました」と声を掛けて抱き寄せた。内館氏もその場では笑顔で応じていたが、批判的な舌鋒(ぜっぽう)は相変わらず。朝青龍を「(豊臣)秀吉のような人たらし」と評してみせた。
予想外の行動だった。けいこを終えた朝青龍は、ほかの委員と並んで土俵そばで視察していた内館氏の元に歩み寄る。右手を差し出して「先生、お帰りなさい」と声を掛けた。「お帰りなさい 朝青龍」は、同氏が朝青龍を批判した著書のタイトルだが、それを裏返したような奇襲攻撃。朝青龍は、続けて内館氏の肩に左手を回し、ささやいた。
朝青龍 先生、大丈夫ですか。心配しましたよ。
内館氏 ああ、ありがとうございます。
耳元でささやき合い、左手はさらに内館氏の背中へ伸びる。天敵の2人が、劇的な「和解」を遂げたかのようにみえた。
2人の会話は、07年11月30日、「サッカー問題」で謝罪会見を開いた直後の横審に朝青龍が出席して以来、約1年半ぶり。だが、自分に常に批判的な内館氏の存在は気になり、この日から復帰することも新聞報道で把握していた。けいこを始める際も、武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)へのあいさつを終えると、続けて内館氏に向けて頭を下げていた。
左ひじ痛を理由に回避もほのめかしてたけいこでは、小結鶴竜、栃煌山、平幕玉鷲の3人と計8番取って全勝。若手に力の差を見せつけたが、上位との対戦は避け、大関陣より先に土俵をおりた。だが、内館氏との抱擁で気をよくしたのか、すこぶる機嫌がいい。「自分の調子が出ないから若手にけいこをさせた感じ。左ひじ? 痛いよ。でも、そういうことは口に出さずにやっていきたい」と優等生発言だ。
午後は全日本柔道選手権を観戦し、大関琴光喜の結婚披露宴に出席。再び報道陣に囲まれると「先生(内館氏)、よかったですよね。心配してましたから。また、辛口お願いしま~す。その方が自分にも励みになるんで」と笑いながら話した。お騒がせ言動が多い半面、人の懐に入り込むのもうまい、朝青龍ならではのパフォーマンスだった。【柳田通斉】
[2009年4月30日8時33分 紙面から]
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