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【社会】

天体観測史上、最も遠い光 地球から約131億光年

2009年4月30日 20時14分

 131億光年かなたかで起きたガンマ線バーストの残光(中心の円内)(国立天文台岡山天体物理観測所提供)

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 国立天文台は30日、岡山天体物理観測所(岡山県浅口市)の口径1・88メートル望遠鏡で、地球から約131億光年かなたで起きた巨大な爆発現象「ガンマ線バースト」の残光をとらえることに成功したと発表した。

 米ハワイ島の国立天文台すばる望遠鏡が銀河観測で持っていた約129億光年の記録を上回る、天体観測史上最も遠い光だという。

 岡山の観測所では当時、たまたま遠方の天体から届く赤外線を観測する装置を望遠鏡に取り付け、テストしていた。吉田道利所長は「人類が見た中で最も遠い光を見られるとは、想像していなかった」と喜んでいる。

 このガンマ線バーストが最初にとらえられたのは日本時間23日午後5時ごろ。米国の天文衛星がしし座の方向に発見し、世界中の研究者に知らせた。同観測所では、連絡から約2時間半後に観測開始。赤外線観測に加えて、可視光での観測も試みたがまったく見えず、波長の長い赤外線だけが検出できたという。

(共同)
 

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