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「イスラエル産果物」流通でイラン騒然、実は中国産

 イランでは先週、イスラエル産果物をめぐる騒動が続いた。宗教的対立からイスラエルとの商業取引がタブー視されるイランで、イスラエル産の果物が大量に摘発されたからだ。しかし、このイスラエル産果物は偽物で、実は中国産だった疑いが強まった。

 問題になったのは、「ジャファ・スイーティー」というブランドのかんきつ類。イスラエルの特産品で、日本や韓国など東アジアで人気が高いという。しかし、イスラエルとの貿易を禁止しているイランでは流通するはずがない品物だ。

 イラン人は激憤した。この果物を販売した流通センターは、相次ぐ抗議と脅迫で閉鎖に追い込まれた。「こっそりイスラエル製品を輸入した」と政府に対する批判も相次いだ。イラン政府関係者は「野党の仕業だ」として、陰謀論を主張した。

 しかし、国民的な怒りはすぐに苦笑に変わった。イランのプレステレビは26日、問題の果物には「ジャファ・スイーティー・イスラエルPO」というブランド名が付いているが、明らかに「中国製」と書かれた箱に入っていたと報じた。つまり、問題の果物は中国から輸入された偽のイスラエル製品だったことになる。イスラエルの新聞エルサレム・ポストによると、同国政府も「イランに果物を輸出したことはない」と反論したという。

 イスラエル製品を輸入したと疑惑の目を向けられたイラン政府は不満をぶちまけた。イランのモファテフ商務相は「(潔白を示す意味で)イスラエルからの果物輸入を商務省が認めたという証拠を示した者に1兆リアル(約96億円)出す。不満勢力が政府に恥をかかせるため、わざとイスラエルのブランド名を付けたようだ」と非難した。英BBC放送は「ジャファ・スイーティーの人気を知る中国業者がイスラエルの商標を偽造して付けたようだ」と報じた。

 イラン政府の受難はこれにとどまらなかった。同国のアフマディネジャド大統領が26日、米ABC放送のインタビューで、「パレスチナとイスラエルの間でどんな決定が下されようが構わない。どんな結論が出ようが、われわれは支持する」と発言し、物議を醸した。これはパレスチナとイスラエルがそれぞれ独立国家を形成すると合意してもそれを支持するとの意味に受け取られ、イラン国内で批判を受けている。イランはパレスチナだけを国家として認める立場を堅持している。

ウォン・ジョンファン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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