<クライスラー>破産法申請へ…債務交渉決裂 米紙報道
4月30日23時49分配信 毎日新聞
クライスラー本社=AP |
クライスラーは、米政府が支援の条件としていた4月30日を期限とする銀行やファンドなど債権者団との債務削減交渉が29日深夜に不調に終わったため、破産法申請の可能性が濃厚と伝わっていた。米自動車大手3社(ビッグ3)では初めての経営破綻(はたん)となる。
今回の破産法申請はその後の再建支援体制を調整した上での「事前調整型」の破綻に当たる。申請でクライスラーの債務は法的枠組みを通じて大幅にカットされる見通しで、米政府も最大60億ドルの公的資金による支援をする方針。
クライスラーはフィアットから小型車の技術供与や新車供給を受けて再建を急ぐ見通しだ。
破産法下での再建期間は短期間にとどまる見通し。
しかし、ビッグ3の一角が破綻に追い込まれた衝撃は小さくなく、同様に経営危機に陥り公的支援を求めている米自動車最大手、ゼネラル・モーターズ(GM)の再建の行方に影響を与える可能性がある。
クライスラーは98年、ドイツのダイムラー・ベンツ(現ダイムラー)と大西洋をまたぐ“世紀の合併”を実現。「ダイムラークライスラー」として成長を目指したが、商品力の弱さから販売不振に陥り、07年に合併を解消。米投資ファンド、サーベラス・キャピタル・マネジメントの傘下で再生を目指したが、ガソリン価格の高騰や米国の金融危機などで経営危機に陥った。
今年2月には米政府に総額60億ドルの資金支援を要請したが、オバマ政権は3月末に「単独での生き残りは困難」と判断。4月30日までに債務の大幅圧縮や労務費削減、今年1月から続いていたフィアットとの提携交渉を完了させることを抜本支援の条件として通告していた。
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最終更新:4月30日23時56分
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