2009年4月30日23時6分
簡易検査で陽性反応を示した女性を乗せるため用意された救急車=30日午後8時7分、成田空港、飯塚悟撮影
インフルエンザの陽性反応を示した女性を乗せていた飛行機から降りる防疫の係官=30日午後8時31分、成田空港、越田省吾撮影
簡易検査で陽性反応を示した女性を乗せて病院に入る救急車=30日午後8時33分、千葉県成田市
成田空港に30日午後に到着した米ロサンゼルス発の航空機内で、帰国した乗客の日本人女性(25)に対する検疫の簡易検査でA型インフルエンザの陽性反応が出たことがわかった。女性は救急車で成田赤十字病院へ搬送された。厚生労働省は、より詳しい「ウイルス遺伝子検査」(PCR法)をして、新型の豚インフルエンザに感染している疑いがあるかどうか調べる。
今後、新型インフル患者と判断されれば国内初の症例となる。疑いの有無が判明するのは1日午前になる見通し。
厚労省などによると、女性の周辺の乗客ら十数人も到着後、検査結果が判明するまで空港内に足止めされている。
女性は到着した時点では、比較的健康で、せきや鼻汁などの症状がみられたが、発熱はないという。申告では、フロリダやラスベガスを回ったといい、せきなどインフルエンザのような症状の人とは接触していないという。
成田空港会社によると30日午後7時すぎ、成田空港検疫所から「ノースウエスト航空1便機内から、救急車で患者を1人搬送する」と連絡があった。
簡易検査で女性が新型インフルへの感染の疑いを表す「A型」に陽性を示したため、PCR法による検査が実施された。ノースウエスト航空などによると、同機の乗客は200人、乗員は13人。
感染した疑いのある乗客が見つかった場合、周辺に座っていた乗客や担当の客室乗務員ら「濃厚接触者」(座席位置により最大で約50人)も、経過をみるため10日程度、空港近くのホテルに滞在させることになる。ほかの乗客にも質問票に連絡先を書いてもらい、それぞれの地元の保健所などが10日程度、健康状態の確認をする。