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新型インフル:推定患者と同機で入国の3人にも症状(下)

疾病管理本部の対応定まらず

◆米国でも死亡者が発生

 新型インフルエンザは人間同士で感染する事実がすでに明らかになっている。また、韓国人が頻繁に往来する米国で感染が疑われる事例が増加している中、死亡者まで発生したことから、韓国国民も万全の注意を払う必要があると指摘されている。

 29日までに確認された、感染が疑われる患者のうち、少なくとも3人はメキシコではなく米国を訪問していたことが分かっている。検疫支援チームのキム・テク氏によると、仁川国際空港を通じて米州から韓国に到着する飛行機の数は1日におよそ30便。1便に300人ほど搭乗していると考えれば、毎日およそ9000人が米国から入国していることになる。

◆対応が定まらない疾病管理本部

 イ本部長は「われわれ(疾病管理本部)は十分な訓練を受けており、初期段階での対応を徹底して行えば、新型インフルエンザは決して危険なものではない」と述べ、終始自信を示した。

 しかし疾病管理本部が感染が疑われる患者の公表を遅らせたという事実が国民の目にも明らかになったことにより、管理体制に対する信頼を自ら失う結果を招いている。同本部は28日深夜の時点で、「感染が疑われる患者について追加の報告はない」としていたが、すでにこの時点で9人が届け出ていたことが確認されている。

 ニ次感染を防ぐことが最優先の課題となるため、感染が疑われる患者が今後どれだけ発生するかについては大きな注目が集まっている。その上、新型インフルエンザは潜伏期間にも感染が可能で、今後どのような形でウイルスが変異するかについても予測できていない。そのためリアルタイムでの状況把握が非常に重要であるにもかかわらず、疾病管理本部はこれにあえて顔を背けてきたのだ。

 一方、患者の情報管理にも問題が多い。推定患者のAさんはこれまで一人でメキシコ旅行に行っていたとされていた。しかし疾病管理本部は29日になって、二人の同行者がいたと情報を修正した。そのうち一人は渡航日程も完全に同じで、韓国でも同じ地域に住んでいる。

 全センター長は「Aさんは保健所に同行者がいたことを知らせていたが、これについて把握が遅れた」「同行者には風邪の症状がまったくみられず、すでに治療薬タミフルも服用した」と説明している。また、ニ次感染の可能性があるとされる飛行機の中で、半径2メートル以内に座っていた乗客(世界保健機関〈WHO〉基準)の数も修正された。疾病管理本部は28日にこれに該当する人数を8人と発表していたが、29日には9人に修正した。

キム・ギョンファ記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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