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【産経抄】4月30日

2009.4.30 03:31
このニュースのトピックス産経抄

 小紙に限らず新聞社には、校閲部と呼ばれる部署がある。記事の間違いを見つけ、不適当な表現を直してくれる。小欄も、大恥をかくところを何度も助けられた。もっとも、首をかしげる指摘も時々ある。

 ▼たとえば、「教鞭(きょうべん)をとる」と書くと、クレームがつく。鞭(むち)が体罰を連想するからだ。言い換える言葉は、「教壇に立つ」だが、「教鞭」どころか、教壇さえない教室が増えている。

 ▼熊本県天草市(旧本渡市)の市立小学校で平成14年、教師が男児の胸元をつかんでしかった行為が、体罰かどうかを争う裁判で、最高裁は「体罰に当たらない」との判断を示した。多くの教育関係者が、胸をなでおろしたことだろう。

 ▼小学2年の男児は、休み時間に女子児童をけり、注意した教師もけっていた。体罰を認めて、市に損害賠償を命じる1、2審判決通りだったら、教育現場は大混乱に陥ってしまう。ささいなことで教師をつるし上げる「モンスターペアレント」を勢いづかせるばかりだ。

 ▼2年前に、京都府京丹後市の市立小学校で起きた、“体罰事件”を紹介した。いじめをなくしたい一心で、28歳の男性教師が、30人の児童のほおを平手打ちした。校長に辞表を出しに行こうとする教師を子供たちが泣きながら追いかけ、保護者の多くも「寛大な処分」を求めて署名を提出した。取材に当たった安岡一成記者に、関係者から後日談を聞いてもらった。

 ▼教師は処分を受けることなく、まもなく他の学校に移り、児童も卒業した。学校に当事者は誰もいなくなったが、いじめなどの問題が起こるたびに、このエピソードが語られ、解決をめざすという。教師と児童、保護者の間に信頼関係があれば、裁判で何年も争うことはなかった。

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