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政界ロビー:虚像に満ちた盧武鉉政治の終えん(下)

盧武鉉前大統領、きょう検察に出頭

 盧前大統領(または盧前大統領のファミリー)による汚職疑惑は、過去5年にわたりこの国の政権を手にしてきた政治勢力が虚像であり、まさに蜃気楼のようなものだったことを示している。02年に行われた大統領選挙当時、盧武鉉候補はライバルたちに対して「腐敗」という烙印を押しつつ、自らは「豚の貯金箱」で選挙資金を集めていると公言していた。有権者たちは「過去の政治との断絶」というスローガンを掲げる「盧武鉉政治」に対する幻想を抱いたまま、投票会場へと向かった。

 盧前大統領は任期中も、政権担当能力に問題があると指摘される度に、「それでもわれわれは金を受け取らない。腐敗していないため、いつの日か評価される日が来る」と参謀らを激励していた。その盧前大統領が数十億ウォン(10億ウォン=約7200万円)の不正な金を「自分が直接受け取ったのか、それとも家族と側近が自分の知らない間に受け取ったのか」決着をつけるために、検察庁舎へと向かっている。

 尹汝雋(ユン・ヨジュン)元ハンナラ党議員は「盧前大統領は民主主義の価値をまったく内面化できないまま、その価値を権力を得るためのスローガンと手段としてのみ利用した」と語る。「盧武鉉政治」の実態を確認しないまま、外見だけに熱狂していた有権者たちは今、「裏切られた」という思いを強く感じている。

 09年4月30日に行われる「盧武鉉政治」の検察出頭は、大韓民国政治史にどのような意味合いを持つものとして刻まれるだろうか。

 慶熙大学の林成浩(イム・ソンホ)教授は「盧前大統領の理想主義的なレトリック政治が全面的な不信の目にさらされ、逆に政治があまりにも現実主義に流れはしないか心配だ。盧前大統領の虚像故に、道徳と理想という価値までも否定されることがあってはならない」と警告した。

 一方、慶南大学の沈之淵(シム・ジヨン)教授は、「政治文化的に“偽善の政治”が終息する一つのきっかけになるだろう」と肯定的にとらえる見方を提示している。沈教授は「政治とは基本的に偽善の側面があるものだが、盧武鉉政治は“自分だけは清潔で、われわれだけが理想的”というまさしく偽善の政治そのものだった。今後は国民の目を欺く偽善政治が権力を持つことはないだろう」と予想している。

金昌均(キム・チャンギュン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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