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NTT、光回線の目標下方修正へ 割高料金などで失速

2009年4月29日

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 NTTグループは、「10年度末までに2千万件」としてきた光ファイバー回線の契約目標数を下方修正する方針を固めた。景気の悪化で料金が割高な点も嫌気され、契約件数が伸び悩んでいた。ブロードバンド(高速大容量通信)サービスの牽引(けんいん)役を期待される光ファイバーだが、失速が鮮明だ。

 5月の09年3月期決算発表の場で、持ち株会社の三浦惺(さとし)社長が表明する見通し。契約件数の目標を1500万〜1700万件程度に減らす▽目標の達成時期を12年度末に先延ばしする――などの方向で調整している。下方修正は、07年に続いて2度目となる。

 光ファイバーはADSLに比べ通信速度が速く、安定しているため、動画など大容量データの送受信がスムーズにできる。NTTグループはADSLに代わる次世代通信網の柱と位置づけ、04年の中期経営戦略ではグループの合計で、10年度末までに固定電話の契約件数の半分に当たる3千万件にまで拡大する目標を打ち出していた。

 当初契約件数は順調に拡大したが、07年後半ごろから伸びが鈍化。同年11月には目標数を2千万件に下方修正したが、08年度末の契約数は1113万4千件にとどまった。前年度末からの純増数は235万件にとどまり、初めて前年度の純増数を下回った。

 ブロードバンドのヘビーユーザーの光ファイバーへの乗り換えがほぼ一巡したことに加え、「光特有の魅力的なサービスが打ち出せていない」(NTT首脳)ことも響いたという。景気悪化で消費者に節約志向が浸透。割高な光への乗り換えを控える傾向も強まっており、「残り2年間で契約数を900万件近く増やすのは困難だ」(関係筋)と判断した。(岡林佐和)

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