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-海洋物理学-

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海岸浸食を悲しむ住人、原因は近隣河川の護岸工事か?

海の天気予報(海洋物理研究)
駿河湾の急潮
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  このページは,「うみガエル」の研究の紹介や趣味の紹介を目的としています.私の研究は一般に海洋学,海洋科学,海洋物理学と呼ばれている分野に属してます.海洋学とは何?海洋物理学とは何?そうお思いでしょう.海洋学という分野自体が広い領域を持っている事もその原因でもあるでしょうし,メディアへの露出が少ないことも理由の一つでしょう.その広い領域のなかで,物理を道具に用いて大海原に旅立つのが私の研究における立場です.私の専門は海洋物理学(Physical Oceanography)と呼ばれる学問領域です.
  海洋物理学が扱う問題は,身近なところでは1日に数回シオが満ち引きする潮汐などのほぼ定常的な現象から,台風等によって引き起こされる高潮,地震によって引き起こされる津波といった,突発的な自然災害も扱います.近年では時間スケールの大きな自然災害や気候変動などの謎を解く鍵が海洋にもある事が分かってきました.たとえばエルニーニョやダイポールモード現象等がその最たるモノです.
  話は変わりますが海洋には熱を貯め込む性質があり,その量は大気の千倍にもなります.大気は地球規模の運動をしています(たとえば偏西風や貿易風や台風)が,これは赤道付近の余剰した熱を両極方向に運んでいると考える事も可能です.もちろん海洋にもその様な働きが期待されます.人間は大気中に住んでいる事から大気に対してより興味を持つでしょうし,大気に対する知識も海洋に比べて多く成るのは当然です.しかしながら海は大気よりも熱を貯め込んでいるのですから無視することは出来ませんし,海洋も気候に大きな影響を及ぼしている事が予測されます.その様な理由で海洋の運動や特性を知るのは大切だと私は感じています.
  私は現在,海洋物理学的な視点から沿岸海域と外洋との相互作用に関して研究をしています.たとえば,駿河湾の海面水温は冬には13℃くらいで夏には28℃位になります.水温は潮汐の影響で一日にプラス・マイナス1℃位変化しますが,時として数日間に5℃以上も激変します.こういった現象は急潮や沿岸湧昇現象と呼ばれています.温度急変の原因は暖かい黒潮系外洋水が沿岸に侵入してきたり,連吹する風によって沿岸の海面付近の海水が沖合に運び去られ,それを補うために深い方から冷たい海水が湧き昇って来た事などに起因しています.この様な沿岸の物理過程や,黒潮前線域に見られる擾乱に,私は現在注目しています.

キーワード:
沿岸密度流, 黒潮前線波動, 内部ケルビン波, 陸棚波, 内部潮汐, 海洋深層水, 黒潮大蛇行, 海洋物理,海洋学者,海洋科学
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