2009年4月30日 2時30分 更新:4月30日 2時38分
東京都足立区の薬局で昨年8月、血液抗凝固剤「ワーファリン」を調剤された無職男性(当時82歳)=同区在住=が大量に口などから出血し、約1カ月後に死亡していたことが警視庁捜査1課と西新井署の調べで分かった。同課などは、薬剤師の女性(35)らが処方せんの4倍の量を誤って調剤したため、副作用が原因で死亡した可能性が高いとみて、29日に薬局を業務上過失致死容疑で家宅捜索した。
同課などによると、男性は区内の総合病院で不整脈の一種「慢性心房細動」と診断され、血栓を防ぐためワーファリンを服用していた。昨年8月中旬、「東京医療第一薬局」で調剤されたワーファリンを服用し続けるうちに出血を繰り返すようになった。9月上旬、容体が急変、出血性ショックによる心肺機能不全で死亡した。
家族の届け出を受け、同課などが調べた結果、主治医はワーファリンを1・5ミリグラム処方していたが、薬局は4倍の6ミリグラムを調剤していたことが判明した。同課などは、薬剤師の女性が分量を間違えて調剤し、薬局の責任者の男性薬剤師(58)も確認を怠ったため死亡につながった可能性が高いとみている。【佐々木洋、古関俊樹、神澤龍二】