検索オプション


ここから本文です

中国、IT情報強制開示制度の導入発表…適用は来年5月

4月29日21時21分配信 読売新聞

 【北京=寺村暁人】中国政府は29日、情報技術(IT)製品の中核情報をメーカーに強制開示させる新制度を5月1日に発足させると発表した。

 実際の適用は1年間の猶予期間を設け、2010年5月1日からとした。企業ノウハウの流出懸念などを理由に日米欧が強く反発したことに配慮し、規制を中国の政府調達分に限定したが、対象品目は当初案通り13品目だ。日本政府は、政府調達に絞っても問題が多いとして、引き続き撤回を求めていく。

 麻生首相は29日の日中首脳会談で、「政府調達といっても中国の場合は範囲が広いのではないか、貿易の障壁となることは避けて欲しい」と述べ、撤回を求めた。これに対し中国の温家宝首相は、「各国のアドバイスも踏まえ、1年間延期した」と説明した。

 新制度は中国独自の製品安全基準である「情報安全製品の強制認証制度」にIT製品を加えるかたちで導入し、IT製品を制御するソフトウエアの設計図「ソースコード」など、技術情報の開示をメーカーに強制する。今年秋までに申請書類を中国側に提出し、最長で約7か月にわたる製品検査を通過して認証を受けていない製品は、10年5月から中国の政府調達向けの輸出や現地生産が禁止される。

 規制対象になる日本製品の中国での売上高は1兆円規模とみられている。対象が政府調達に限定されても、影響が出るのは必至だ。日本の電機メーカーなどからは、反発の声が出ている。

 中国が08年1月に公表した当初案では、中国国内で製造・販売する製品すべてが対象だった。だが、日米欧などが強く反発したため、製品の仕様や規格などを管理する窓口「中国国家認証認可監督管理委員会」は対象範囲を政府調達に絞り、適用開始も事実上、1年間先送りした。日本政府は、世界貿易機関(WTO)への提訴なども検討する。

          ◇

 中国が発表したIT規制の対象品目


 IC(集積回路)チップの基本ソフト(OS)、ルーター(パソコンとインターネットの中継機器)、インテリジェント・カード(非接触型ICカードなど)、コンピューターのデータバックアップ及び復元用ソフト、データベース・システム、インターネットの迷惑メール防止製品、不正アクセス侵入探知システム、ネットワーク監視システム、操作履歴・ログ収集分析製品、ファイル改ざん探知システムなど13品目

最終更新:4月30日2時15分

読売新聞

 

主なニュースサイトで 中華人民共和国 の記事を読む

ブログパーツ

経済トピックス

nikkeiBPnet on Yahoo!ニュース