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【群馬】

命の大切さ 同世代へ 桐生で8月にメッセージ展 高校生が企画・準備

2009年4月30日

鈴木共子さん(左端)と打ち合わせする長岡昇汰君(右端)=桐生市で

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 犯罪や交通事故などで命を奪われた人の遺品の靴と等身大オブジェを展示し、命の尊さを伝える「生命のメッセージ展」を、桐生市の高校生有志が8月に開催する。中心メンバーで桐生高校2年の長岡昇汰君(17)は「高校生の目線から命の大切さを同世代の人に伝えたい」と話している。 (加藤益丈)

 きっかけは、昨年七月に起きた同市内の高校に通う生徒が同世代の少年らから暴行を受け死亡した事件。長岡君はこの事件の二日前、県庁で開かれた「生命のメッセージ展in群馬」に立ち寄り、事件・事故の悲惨さや残された家族の悲しみの深さに衝撃を受けたばかりだったからだ。

 「多くの高校生に命の尊さに気付いてほしい」。長岡君は同級生四人と桐生市での開催を目指し準備委員会を結成、募金活動を始めた。地元商店主らの協力を得て目標額を上回る募金が集まり、会場を確保。ほかの高校の生徒にも声を掛けるなどしてメンバーを募り、四月一日に実行委員会を設立した。

 メンバーは二十人ほどに増え、今のところ準備は順調に進んでいる。「生命のメッセージ展」のPRも兼ね、「上毛電鉄 生命の絵画展」と題し、七月一日から八月十六日まで上毛電鉄列車内の広告スペースに「いのち」をテーマにした絵画を展示する予定。作品を募集している。

 「生命のメッセージ展」は、飲酒運転の車に息子の命を奪われた造形作家の鈴木共子さん=神奈川県座間市=が二〇〇一年に始め、三十を超える都道府県で開かれた。事件や事故の関係者ではない高校生による開催は初めてで、鈴木さんは「私たちも若い世代にメッセージを伝えたいと思っていた。その世代が真剣に取り組んでくれるのは非常にうれしい」と歓迎している。

 「生命のメッセージ展in桐生」は八月十四日から十六日まで、桐生市織姫町の市民文化会館で。問い合わせは、実行委員会事務局=(電)0277(74)6165=へ。「生命の絵画展」の問い合わせは、実行委員会「生命の絵画展」担当=(電)0277(70)2210=へ。

 

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