自殺志向の相談件数と相談員延べ人数推移
自殺予防を目的に、人生のさまざまな悩みや苦しみに耳を傾ける「沖縄いのちの電話」に寄せられる相談のうち、自殺志向と判断できる相談件数は2008年度の1年間で654件に上り、07年度の2・2倍に急増していることが24日、分かった。同電話事務局は「不況を反映し、経済苦に関する相談が増えている」と説明する。自殺を水際で防ぐ相談活動の重要性が増す一方で1日に必要な常時2人の相談員を確保できないほど人員が減少しており、事務局では相談員を急募している。
自殺志向の相談は01−06年度まではおおむね年間百数十件で推移したが、07年度に初めて300件を突破し、08年度は倍以上の654件に達した。伊禮盛次事務局長は、経済苦などを訴える相談者が増えていることから「うつ病の方からの相談が増えている。経済問題が背景にある」と指摘した。
渡久山朝裕運営委員によると、自殺志向は(1)自殺を考えている念慮(2)道具の準備など危険(3)予告・通告(4)実行−と危険度を増すごとに4段階に分けているが、相談の約8割は自殺念慮で、残り2割の相談は自殺の可能性が極めて高い内容という。具体的には「自分は生きる価値がない」などと人生に関する相談が多い。
いのちの電話は年中無休。相談員は自殺志向の相談を受けた場合、1時間をめどに悩みを聞き「また明日かけてください」と声を掛け、1日1日つなげることで自殺願望を和らげ、自殺を防ぐ。だが相談員不足で1人しか配置できない時が増え、もう2台目の電話が鳴っても出られない状態が生じている。
年間相談総数は01年は7782件だが、03年からは1万件超が続いている。
相談は午前10時から午後11時までで、2台の電話に常時2人を配置するには180人が必要。5年前までは必要人員をほぼ確保できたが、現在は130人まで減った。
伊禮事務局長は「相談員は匿名厳守。人知れず、人の苦しみに耳を傾けることに誇りを持っている。多くの人に相談員になっていただきたい」と呼び掛けた。
相談員になるには養成講座の受講が必要。問い合わせは(電話)098(888)4747同事務局。(新垣毅)
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