長年、教育問題に取り組んできた大阪市のNPO法人「子どものための民間教育委員会」代表の良井靖昌さんが今月11日、79歳で亡くなった。子供や保護者、教師らの貴重な駆け込み寺だった。
良井さんの元には、登校拒否やいじめなどの相談が全国から舞い込んだ。良井さんは深夜でも長時間、話を聞いていた。さらに全国を飛び回って、相談者の地元自治体にかけ合ったり、裁判を支援してきた。
活動資金はNPOの会費だけで、ほとんど手弁当。多くの問題を抱える現場を何とかしなければ、という使命感が原動力だった。「新聞がもっと頑張ってほしい」。よく言われた言葉を改めて肝に銘じたい。(坂口)
毎日新聞 2009年4月26日 地方版