名古屋市長選(26日投開票)に出馬を予定している3氏が6日、同市の中小企業経営者が主催した公開討論会にそろって出席した。一堂に会するのは初めてで、28年ぶりに主要政党の相乗りが崩れたのを背景に、争点を明確にしようとする動きの一つだ。9日と10日にも別の団体が討論会を開く。
3氏は▽民主党の河村たかし衆院議員(60)=同党推薦▽前中京大教授の細川昌彦氏(54)=自民、公明の県組織支持▽愛知県商工団体連合会会長の太田義郎氏(65)=共産党など推薦。
この日の主題は中小企業対策で、河村氏は「市役所が産業計画を作るのはおかしい。すべて民間に任せるべきだ」と主張。細川氏は「中小企業の開業率をどう高めるか。消費の喚起と同時に、仕事をどう作り出すかが求められている」と述べた。太田氏は「地域産業を振興できる政策や補助金を含めたきめ細かい政策が必要だ」と訴えた。
3氏の主張は、中小企業政策より行財政改革で際立った。河村氏は「減税をしないと税の無駄遣いを減らすことは絶対できない」と市民税10%減税の必要性を強調。細川氏は「一から(市の)事業を棚卸しする。人件費や外郭団体も厳しく精査しないといけない」と、事業の大幅見直しを打ち出した。太田氏は「大企業のビルに税金が何億円も使われている。(松原武久市長の)4大プロジェクトを凍結・中止すれば1000億円浮く」と述べた。【丸山進、岡崎大輔】
毎日新聞 2009年4月7日 中部朝刊