分裂していた名古屋市議会の自民党系2会派が30日、統合に向けた調印を同党県連本部で行った。来月1日付で2年半ぶりに一本化される。4月26日に迫った名古屋市長選を前に結束して前中京大教授、細川昌彦氏(54)=同党県連支持=を支援するためだが、感情的な対立は根深く統合の効果は未知数だ。【岡崎大輔】
新会派名は「自民党名古屋市議員団」。調印式で、自民党名古屋市議団の渡辺義郎団長が「今日までいろいろあったが、市長選勝利のために一致団結して戦える」と強調、市会自民の斉藤実団長も「衆院選という大事な戦いも控えている。この結団式は大きな意味を持つ」と述べ、融和ムードを演出した。
ただ、統合は分裂原因となった政務調査費の在り方をめぐる対立を棚上げしたまま行われる。調印まで統合を決めてから4カ月を要しており、県連幹部から促され渋々実行する面も否定できない。
市会自民の市議の一人は「政調費問題が解決したわけではないが、各種団体から分裂していては選挙が戦いにくいと言われたこともあり、団結の姿勢を示した」と内実の一端を話した。両会派は市長選までの暫定人事として、斉藤氏を団の顧問兼市長選対策本部長に、渡辺氏を団長兼財政委員長に決めた。
毎日新聞 2009年3月31日 中部朝刊