任期満了に伴う4月の名古屋市長選で、民主党愛知県連が擁立を進めていた市教育委員会の山田哲郎教育次長(55)が3日までに出馬を固辞する意向を県連に伝えた。これを受け、県連は山田氏の擁立を断念した。自民に擁立の動きがないのに加え、民主の候補者選びが白紙に戻ったことで、名古屋市長選は混とんとした情勢になってきた。
4日に党の市長選対策委員会を開き、山田氏断念を確認する。
名古屋市長選は過去3回、共産以外の主要政党が相乗りで候補を推薦する構図だった。しかし民主は今回、独自候補擁立に方針を転換。同党を支持する県教員組合委員長を経験した山田氏に絞って出馬を要請してきた。
関係者によると、山田氏は市政運営の観点から民主単独による出馬には消極的で、同党の国会議員らが説得に当たったものの、最終的に固辞したという。
山田氏擁立の失敗を受け、民主は新たな候補者探しを迫られるが、国政で自民と激しく対決している状況を受け、県連内にはあくまで独自候補を立てるべきだとの声が強い。
市長選では同県商工団体連合会会長の太田義郎氏(64)が昨年11月に出馬を表明し、共産党系市民団体が推薦している。【影山哲也】
毎日新聞 2009年1月4日 2時08分