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豚インフルエンザ:パク課長「WHOは超緊張状態」(下)

 WHOの危機管理センターには30人以上の防疫や疫学の専門家が常時勤務しており、交代で24時間体制での対応に当たっているという。かつてSARSへの対応を経験した各国の専門家も呼ばれている。WHOのマーガレット・チャン事務局長は、世界中でのすべてのスケジュールをキャンセルし、ジュネーブにとどまりながら対策本部に集まるあらゆる状況について随時報告を受け、また対策会議も行っている。この管理センターはSARS問題直後、かつてWHO事務局長を務めた故イ・ジョンウク氏(2006年死去)が作った。看板にはイ元事務局長の名が刻まれており、内部には肖像画も掛けられている。

 ここに勤務する担当者たちは、管理センターの壁に掛けられたモニターにグーグル・アースの世界地図を表示し、豚インフルエンザ患者が新たに発生したという報告が入るたびに赤く色を塗って感染経路を常に監視している。またパク課長によると、各国の患者発生状況と検査の進み具合はもう一方の壁に掛けられているサムスン電子製のプラズマモニターに常に最新の情報が表示されているという。もしWHOの電算システムが故障しても、ここにあるコンピューターだけは別に作動するよう設計されている。パク課長は「WHOはインフルエンザ治療薬“タミフル”を500万人分確保している。もしもの事態に備えて、タミフルの製造特許を持つスイスの製薬メーカー・ロッシュなどと生産ラインをフル稼働させる問題について話し合いを行っている」と述べた。それだけ状況は緊迫しているということだ。

 パク課長は「感染後の潜伏期間が1週間ほどである点を考慮に入れると、今週が大陸をまたがる大流行になるかを予想する最初のヤマになるだろう」と述べた。

キム・チョルジュン医学専門記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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