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豚インフルエンザ:相次ぐ禁輸措置で貿易摩擦も

 メキシコ発の「豚インフルエンザ(SI)」の恐怖が外交・貿易摩擦に発展している。欧州連合(EU)が27日、米国、メキシコへの渡航自粛を呼び掛けたのに対し、米国が猛反発した。

 また世界最大の豚肉消費国・中国をはじめ、ロシアやタイなどが米テキサス、カリフォルニア、カンザス産の豚肉および豚肉製品の輸入を禁止した。世界保健機関(WHO)など国際機関が「加熱調理した豚肉は食べても安全」と発表したものの、相次ぐ禁輸措置を抑えることはできなかった。

 韓国も28日、SIの感染が広まっている米国とカナダ産の生きた豚の輸入を暫定的に中断すると発表した。昨年、米国やカナダから生きた豚が1562頭、今年は3月までに134頭が輸入されている。SI感染で152人の死者が出ているメキシコからは、もともと生きた豚は韓国に輸入されておらず、ウイルスよりも「パニック」のほうが急速に広がっているというわけだ。

 EUのワシリウ保健担当執行委員は27日、「緊急を要する場合でない限り、米国・メキシコへの渡航を避けるべき」と述べた。これに対して米疾病対策センター(CDC)のベサー所長代行はCNNテレビで、「わたしならば、現時点で米国への渡航を禁止したり自粛を勧告したりはしない」と反論した。

 また米通商代表部(USTR)も声明を通じて、「米国産豚肉および豚肉製品に対する制限措置は科学的根拠がなく、深刻な貿易摩擦を引き起こす可能性がある」と警告した。

イ・テフン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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