名古屋市長選で初当選した河村たかし氏(60)は27日、毎日新聞中部本社の藤田健史・編集制作総務と会見し、選挙で公約した市民税10%減税に議会が抵抗した場合、解散も辞さない強い姿勢で臨む方針を明らかにした。関連条例の提出時期については、6月議会を目指すものの柔軟に対応する考えも示した。
河村氏は10%減税について「(必要な)250億円は(市の歳入合計)2兆6000億円のわずか1%。削減は可能だ」とした上で、「地方自治法の制度で署名が集められれば議会解散もできる」と指摘、選挙で得た51万票を背景に必ず実現させるとの決意を改めて示した。
同法によれば名古屋市の場合、解散には36万人以上の署名が必要となる。
また、公約を実現できなかった際の進退については「自分から市長を辞めることはない。市民が決めること」と答えた。【岡崎大輔】
河村たかし氏との一問一答は次の通り。
--選挙の勝因は。
市民の期待だ。減税は非常に正しいメニューで、より安い価格でより良いサービスを提供する。民間では当たり前のことだ。
--市民税10%減税はどう進めるか。
6月議会で何とか条例案を出せないか。コンピューターを直すだけならできるが、納付書を1年分刷ってしまった。最悪でも来年の4月からはできる。
--歳出の250億円カットになるが、これまでも財政難で予算を切り詰めている。どう削るのか。
何が切り詰めているのか。裏金があった。250億なんて予算2兆6000億の1%。僕の知っている役人は、総予算の1割まで(削減)できると言っていた。
--地域委員会も、6月議会を目指すのか。
けっこう時間がかかるが来年からはやりたい。来年2月の議会に予算を上げる。
--市議会で民主は過半数に満たず、選挙でも一枚岩でもなかった。議会対策は?
根回しはするが正論でぶつかっていくよりしょうがない。最後は市民の判断だ。
--支持を得られなかったら議会解散も視野に入れる?
当然だ。三十数万人の署名を集めると解散の住民投票が行われる。そこで過半数取ると勝ちになる。
--公約を実現できなかった場合は辞めるのか。
辞めませんよ。ありとあらゆる手段を使う。51万4514の応援がある。
--人件費10%削減はどう実施するのか。
雇用は絶対守る。順番からいうと、まず退職不補充。年収500万円以下の庶民公務員には手をつけない。いろんな手当、退職金、ボーナスから削る。
毎日新聞 2009年4月28日 中部朝刊