名古屋市長選で初当選した河村たかし氏(60)が28日、市営バスで初登庁し河村市政がスタートした。河村新市長は職員への就任あいさつで「名古屋を愛する気持ちは皆さんと同じ。東京、大阪をノックアウトして日本一の街にしましょう」と呼び掛けた。
河村新市長は午前7時58分、当選時と同じ紺のスーツ姿で東区の自宅から現れ「日本政治は名古屋からどえりゃあ、おもしろくなる。ちょっぴり織田信長の気分」と笑顔をみせた。妻名帆子さん(57)に「皆さんに理解いただけるように頑張って来てください」と見送られ、近くのバス停「古出来町」へ。午前8時18分、通勤客で満員のバスに乗り込み、車内では「迷惑かかるでよ」と口はほとんど開かなかった。
約15分後、市役所前でバスを降りた河村市長は、正面玄関前で女性職員から花束を受け取った。出迎えた約300人の職員に「楽しく、朗らかに、おもしろくやってちょうよ」と語りかけ、職員と握手しながら庁舎に入った。念願の市長の椅子の座り心地を「意外と立派でないが、ええじゃないですか、質素で」と語った。
午前9時半から開かれた臨時幹部会で早速「河村流」を発揮。これまで非公開だったが急きょ報道関係者に公開。幹部約30人を前に「公約は絶対にやる。嫌な人は辞めてもらっていい」。そのうえで「大至急(減税実施のための)体制をつくってもらいたい」と指示した。
午前10時、職員約350人を前に就任あいさつ。「選挙中の『税金で食っとる方が極楽』発言で気分悪くした人もおるだろうが、事実。公僕という原点を忘れずに仕事してもらいたい」と述べた。続いて市議会臨時議員総会であいさつし、市長室で松原武久前市長と事務引き継ぎをした。
その後、河村市長は「日本減税発祥の地ナゴヤ」「日本民主主義発祥の地ナゴヤ」と書かれた2本の垂れ幕(縦10メートル、横1.2メートル)を、本庁舎正面玄関入り口に掲げた。当初は庁舎外側に掲げる予定だったが、景観条例上問題があることが分かり内側になった。【岡崎大輔】
毎日新聞 2009年4月28日 14時26分(最終更新 4月28日 15時48分)