ドラゴンズの帽子をあみだにかぶり、「庶民革命」を訴えながら1日35キロを自転車で走破する選挙戦を展開し、市長の座を射止めた。掲げたのは市民税10%減税。「税金を払っとる方が苦しくて、税金で食っとる方は極楽。変えなくてはいかんですよ」と言い切る姿に、有権者は「そこまで言うなら、やらせてみよう」と支持を与えた。
特徴ある名古屋弁を駆使する。93年に国政に出ると「総理を狙う男」と言い始め、民主党の代表選にも幾度となくチャレンジし……ようとしたが、必要な推薦人20人は一度も集められなかった。それでも、年金や豪華宿舎など議員特権に切り込み続け、変わり者扱いされてもスタイルを変えなかった。「もう戻ってくるなよ!」。5期目の途中で議員辞職が認められた日、衆院本会議場を去る背中には、激励とも本音ともつかないヤジが投げられた。
名古屋の「総理」としてぜがひでも実現させるというのは、減税と中学校区など一定範囲の地域に自治の一部を託す制度の導入。「できるわけがない」と言われても、「市役所に『日本減税発祥の地、日本民主主義発祥の地』の垂れ幕を掲げ、観光名所にするでよぉ」と意気軒高だ。
選挙中、公務員と議員批判を繰り返した新市長を市の職員や議会は冷ややかに迎えようとしている。「気にしてないがね。河村さんに任せてちょ」【岡崎大輔】
【略歴】河村(かわむら)たかしさん 名古屋市出身。一橋大卒業後、家業の古紙屋を継ぐ。妻(57)と二人暮らし。好きな焼酎を毎晩飲む。60歳。
毎日新聞 2009年4月27日 0時28分
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