【ロサンゼルス=堀内隆】メキシコのコルドバ保健相は28日夜の記者会見で、豚インフルエンザ感染が確認された死者の数を7人と明らかにした。これまで20人としていたが、修正した。感染の疑いのある死者がなお152人いるという。
また肺炎の症状を訴えて入院した人が2498人おり、うち19人は豚インフルエンザと確認されたことも明らかにした。
7人の死亡例は全員が首都メキシコ市で、中心部から離れた南部の2地区に集中している。うち6人が死亡したトラルパン地区には、国立呼吸器疾患研究所病院がある。コルドバ保健相は「今後24時間のうちに、残りのケースの検査結果が出るだろう」と語った。
またコルドバ保健相は27日の記者会見で、南部ベラクルス州ペローテ市で今月2日に発症が確認された男児から豚インフルエンザウイルスが検出されたことを明らかにした。メキシコ政府はこれまで、4月13日に南部オアハカ州で出た死者を「最初の犠牲者」としていたが、実際にはそれより10日以上早く、感染が始まっていたことになる。
ペローテ市のラグロリア地区には米企業との合弁による養豚場があり、3月ごろから周囲で高熱やせきを訴える住民が相次いでいた。ただメキシコ保健省は朝日新聞の取材に対し、感染がいつどこから始まったかについてはなお「調査中」と回答した。