「ガンダム」ブランドが担う ロボットアニメの方向性とは?<まとめ>[2009年04月27日(月)]
ROMAN ALBUM『アニメージュオリジナル Vol.3』より抜粋
「ガンダム」ブランドが担う ロボットアニメの方向性とは?
『機動戦士ガンダム00』
監督 水島精二 × 脚本 黒田洋介
「ガンダム」ブランドが担う ロボットアニメの方向性とは?
『機動戦士ガンダム00』
監督 水島精二 × 脚本 黒田洋介
ロボットアニメというジャンルが抱える問題とは?
黒 :大人の鑑賞に耐え得るリアルロボットアニメが難しいところは、
リアリティをどこまで突き詰めるか、
という一点に尽きます。
でも、そういうリアルなものをこそ観たいと思っているお客さんも、
まちがいなくいますし・・・。
水 :そういうのが好きだと言っている人は、
どこまでもリアルに、自分たちが納得する理屈を求めるから、
結果として自分たちの首を締めているんだと思うけどね。
黒 :そういう意味では、本当にリアルにつきつめて考えた時に、
ロボットのデザインは人型を否定するところに入っていくような
気がするんですね。
水 :それは絶対にあるね。
記者:そうなると、アニメファンは拒否反応を持つかもしれませんね。
水 :いや、そうなるのは結局、コアなアニメファンだけじゃないかなあ。
例えば『ガンダム』ってそういう先入観がない層が観てくれてるから、
これだけ長い間、広い層に支持されていると思うんだよね。
黒 :そうですね。そういう層には、
多分、18mの人型兵器である理由なんて、
必要ないと思うんですよ。
ただやっぱり『ガンダム』って、
確かにそういうところを気にするファンもいますし・・・。
水 :だから、僕らはその部分の理屈として
「GNドライヴ」を用意したんですよ。
黒 :そういう必然性はやはり、考えなくちゃいけないところだと思います。
何回読んでも、意味不明
摩訶不思議な『リアル』(笑)にこだわる2人の見解に対し、
まったく違う見解の記事を、同雑誌内で見つけました
ROMAN ALBUM『アニメージュオリジナル Vol.3』P75
ロボットアニメが備えるドラマ的ハイブリッド構造
より抜粋(アニメ評論家:氷川竜介)
ガンダムもよく言われるほど
「ロボットを兵器として扱う」
というリアル追求が本質ではない。
エンターテイメントであるからにはドラマが最重要であり、
その触媒としていかにロボットという「からくり」を
うまく機能させ、観客を乗せるかを肝要としている。
それはロボットアニメに共通した姿勢なのである。
評論家はあまり好きではないのですが・・・
この記事ばかりは、深く肯いてしまいました・・・・・
氷川氏の記事を読んだ後、
あらためて水黒記事を読み返すと(笑)
このロボットアニメの基本姿勢を置き去りにした作品が
『機動戦士ガンダム00』であったと・・・
最後に元祖『ガンダム』富野氏のお言葉を・・・・・
プレイボーイ2009 4月6日号 NO.14
【祝30周年】ガンダムの明るい未来!
「2039年のガンダムはこうなっている!?」より抜粋
富野:1979年のファーストガンダムは30年間もった。
ならば、今やらなくてはならないのは
ガンダムを消費することではない。
次の30年までもつガンダムを本気で考える・・・
そういう作業が必要だと実感しています。
これはうぬぼれではないのだけど、
現在の地球環境問題やエコロジー論といったものは
最初のガンダムで描いていた。
ガンダムが30年間もったのは、
そういうコンセプトを内包していたせいもあるでしょう。
つまり、エコに代る30年後の人々も共感できるような
コンセプトを持つ物語を作れば、
ガンダムは2039年までもつんじゃないかと思うんです。
(中略)
日本の食糧自給率30%は異常なことなんです。
(中略)
それこそ次のガンダムの主人公は実は農家をやっていて・・・・
という切り口も想像できる。
でもね、こういう難しい話を直接言ってしまうと
「うるさい年寄りだ」とそっぽを向かれてしまうだろうし、
真っ向から描くと憂鬱な物語になってしまう。
だけど、ガンダムというフィールドを使えば、
エンターテインメントに持ち上げることができると今は思うんです。
ガンダムというアイコンは資本主義体制化ではとても重要なものだから、
それをむざむざ外してまでやることはない・・・
そういう大人の論法もあって私はイヤだった。
けれど逆にね、ガンダムという名前を利用させて頂きたいと
考えるようになったし、
もう一度がんばらせてほしいんだよ。
もう一度・・・・・
富野氏の手にガンダムを!!!と・・・・・・
切実に願っています