現在位置:
  1. asahi.com
  2. ライフ
  3. 医療・健康
  4. 新型・豚インフルエンザ特集
  5. 記事

韓国でも豚インフル、往来多い九州ショック

2009年4月28日21時33分

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

 韓国で豚インフルエンザに感染した疑いの強い「推定患者」が出たことが、九州各地で波紋を広げている。渡航者には一抹の不安がよぎり、観光業界は影響を懸念する。

 海外航路の乗降客数が約84万人(昨年)と全国最多の博多港。韓国・釜山と結ぶ高速船は4月、1日3〜6便が発着し、5月の黄金週間中は8便に増える。すでに船内に約220個のマスクを備えた。

 28日午後、高速船で博多港に戻った北九州市門司区の会社員男性(60)は「釜山では公園で大勢の児童が遊んでいるなど、混乱が起きている様子はなかった。日本でも人込みでマスクを着けるなどすれば大丈夫では」と話す。

 1週間のソウル出張にでかける福岡県篠栗町の男性会社員(48)は福岡空港で、「韓国で豚インフルエンザ発生の疑い」を知った。「行きたくなくなったが仕方がない。ソウルは寒いようなので体調管理を徹底します」

 週3往復のソウル便がある宮崎空港。運航するアシアナ航空宮崎支店の担当者は「今のところキャンセルは出ていない。疑いの段階で終わってくれれば」と語る。

 大分県別府市では、外国人観光客の約8割(年間21万4千人)を韓国人客が占める。ウォン安や経済危機に追い打ちをかけるような事態に、市観光協会の担当者は「韓国は非常に大きなマーケットで、ダブルショックだ。影響が広がらなければいいが」と頭を抱える。

 韓国や台湾などから観光客が訪れる鹿児島県指宿市。市観光協会の大山功専務理事(60)は「内外から人が集まるので、感染の拡大や長期化で影響が出ないか心配だ」。

 JTB九州によると、警戒レベルが引き上げられた後の28日、米国や欧州旅行の予約客からキャンセルが出た。理由は確認していないという。担当者は「政府が渡航延期を勧告しているのはメキシコだけ。海外旅行客数が上向き始めた矢先だけに、他の地域の客に控える動きが出ないか」と心配顔だ。

PR情報
検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内