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きょうのコラム「時鐘」 2009年4月29日
マンションの住人が町会に入るケースがある金沢市で、集合住宅の入居者が町会加入を断られ、拒否の理由に「遠所者」という言葉があったという
北陸の「旅の人」という方言を思い出させる出来事だった。県外出身の人を指し、何十年住んでいても「旅の人」と表現する地元の年配者もいる。が、この一見閉鎖的な表現は北陸だけのことではないらしい。「風の人、土の人」と表現する地域もある 内宮と外宮の2つから成立する伊勢神宮には「風の宮」「土の宮」と呼ばれる社がある。天地の安全を祈る宮だが、元々の土着の神様と、よそから来た神様が対立を克服してひとつの風土になったとみることもできよう 「外人」という表現が「外の人」を意味し、差別につながるために「外国人」に統一されたこともある。地域を活性化させるのは「若者、よそ者、ばか者」ともいう。新しい風が吹き込む時、旧勢力には抵抗がある。が、それを克服したところに発展があるのは古今東西変わらない 新型インフルエンザの侵入だけは、断固阻止しないといけないが、地域の新しい風は歓迎したいものだ。 |