西宮渡辺病院(西宮市室川町)で、同市の男性(当時75歳)が死亡したのは担当医によるレントゲン写真の確認が不十分だったことなどが原因として、男性の遺族2人が病院を運営する医療法人「高明会」(同市)を相手取り、計4831万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が28日、神戸地裁であった。角隆博裁判長は「適切な治療を怠った」として同法人に計3153万円の支払いを命じた。
判決によると、男性は04年2月10日夜に体調が悪化して入院。同日夜に男性のレントゲン写真を撮影したが、担当医はレントゲン写真を十分に確認せず、重症の左心不全なのにぜんそくか肺炎と誤診。適切な治療を怠った結果、男性は同月11日に急性呼吸不全で死亡した。判決はレントゲン写真について「確認すれば左心不全と認識できた」と認定し、担当医の過失を認めた。
同病院の山岡泉事務部長は「判決文が届いていないのでコメントは差し控えたい」としている。【吉川雄策】
〔神戸版〕
毎日新聞 2009年4月29日 地方版