県は28日、県内の32病院・診療所(市町村立、一部事務組合立)が策定した「公立病院改革プラン」の概要を公表した。うち15施設は、国が経営効率化に要する標準期間とした3年以内に、指標の一つとなる経常収支を黒字化できず、県内医療機関の厳しい経営状況が改めて浮き彫りになった。
 公立病院改革プランは、経営効率化や再編・ネットワーク化、経営形態の見直しを柱に、2008年度中に策定するよう総務省が各自治体に求めていたもので、同省が28日、全国の調査結果を公表した。県の公表はこれに伴うもの。
 経常収支を黒字化できる時期は、08年度(見込み)が6施設、09年度は7施設、10年度は4施設。残り15施設は12年度以降だった。
 15施設には弘前市立病院、青森市立浪岡病院、板柳中央病院、公立金木病院などが含まれる。
 概要をまとめた県市町村振興課は「中・小規模で、不採算部門を抱えている病院は医師不足の問題、患者数の減といった影響を強く受ける。また、施設を建設して間もない病院は、多額の減価償却費があり短期間で経営効率化を図るのは厳しい」と説明。「それであっても一定の期間で、経常収支の黒字化などに向けて、計画を着実に実行してほしい」と語った。
 また、再編・ネットワーク化は西北五、上十三の両地域の十施設が結論を取りまとめ済み。残り22施設は10年度までに取りまとめる方針。
 経営形態の見直しに要する期間については、同省は5年程度を標準としており、結論取りまとめ済みが六施設。11年度までに決定が24施設。12年度以降が二施設。
 見直し方法(決定済み、検討中)は公営企業法全部適用や指定管理者制度などが含まれたが、民間譲渡はなかった。