「最後のパレード」書店への出荷当面停止

　ベストセラー「最後のパレード　ディズニーランドで本当にあった心温まる話」（中村克著）に収録されている１編が別の手記と酷似していた問題で、版元のサンクチュアリ出版（東京）が書店への出荷を当面停止、著作権者との協議の中で新聞に謝罪文を掲載すると回答していたことが、２８日分かった。

　同社は、「大きな白い温かい手」と題した手記一編が、社団法人「小さな親切」運動本部が２００４年に主催したはがきキャンペーンの受賞作と酷似していることを認めて謝罪、著作権者である同本部と協議している。

　関係者によると、同書の発売中止と自主回収を求めた著作権者側に対し、サンクチュアリ出版は新聞に謝罪文を掲載すると回答してきたという。

　「最後のパレード」について同社は、書店からの追加注文に応じていない。都内の大手書店は「版元は特に何も言ってきていないので在庫を売っている」としている。

　同書の別の数編についても、東京ディズニーランドを経営する「オリエンタルランド」が、社内文集の作品を「ほぼ同じ形で無断使用されている」と指摘している。（共同）

　［2009年4月28日21時25分］