国際宇宙ステーションに滞在中の若田光一さんがバック転などに挑戦する「おもしろ宇宙実験」が行われた。実験項目のアイデアは一般から公募された。各提案者はわくわくしたことだろう。
地味ながら興味深い学術実験も着々と進んでいる。宇宙航空研究開発機構のホームページによれば、たとえば今月中旬には若田さんにさまざまな姿勢や動作を行ってもらい、データを収集した。宇宙での体と衣服設計に関する基礎実験という。
難しそうだが、要は人間が宇宙で長く暮らす時代に備えたファッションの研究だそうだ。地上で体重を支える足の役割が、宇宙では相対的に減るとの想定に基づいている。
その前には若田さんが持ち込んだカエルの腎臓と肝臓の細胞の増殖ぶりを、回線を通じて地上から観察する実験が行われた。細胞は六月末に若田さんが地上に持ち帰り、研究者が詳しく解析する。
生物学上のお堅い実験に思えるが、こちらにも深い狙いがある。人間が宇宙へ本格進出し、妊娠、出産する時代がくるかもしれない。その時に向け、細胞の分化などがどう行われるのか調べようというのだ。
SFが現実になりつつある。今、若田さんの映像に見入っている子どもたちが宇宙で暮らす第一世代になるのかも、などと想像するだけで楽しくなる。