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生活苦?代々木公園に畑泥棒 タケノコ、菜の花盗まれる

2009年4月24日13時46分

写真:刃物のようなもので茎が切断された菜の花=代々木公園刃物のようなもので茎が切断された菜の花=代々木公園

写真:タケノコの掘り出された跡を確認する代々木公園サービスセンターの高木康司センター長=東京都渋谷区神園町2丁目タケノコの掘り出された跡を確認する代々木公園サービスセンターの高木康司センター長=東京都渋谷区神園町2丁目

写真:傷んだ菜の花の状態を確かめる代々木公園ボランティアのメンバー=東京都渋谷区代々木神園町傷んだ菜の花の状態を確かめる代々木公園ボランティアのメンバー=東京都渋谷区代々木神園町

写真:被害があった近くに生えているタケノコ=東京都渋谷区代々木神園町被害があった近くに生えているタケノコ=東京都渋谷区代々木神園町

 タケノコや菜の花が盗まれる被害が、東京・渋谷の代々木公園で相次いで起きた。昨年まではなかったことだ。「今の経済情勢を反映しているのでしょうか」。予期せぬ「畑泥棒」に公園側も困惑している。

 公園東にある野鳥保護エリア。高さ2メートルほどのフェンスで囲まれた孟宗(もうそう)竹の林で、公園を管理する代々木公園サービスセンターの高木康司センター長(57)は指さした。「ここですね」。土が掘り返された跡があり、近くにはタケノコの皮が散乱していた。

 同センターによると、竹林から20本ほどのタケノコが盗まれたのは21日未明のこと。男がフェンスをよじ登り、掘り出したという。しかし、男はタケノコを自転車に載せ、無灯火で走っているところを警察官に呼び止められ、「犯行」が発覚したという。

 警察から「男は深く反省していた」と聞かされた公園側は、被害届を出すのをやめた。「高齢の人らしく、生活に困っていたのかも……」。高木センター長は推し量る。

 実は代々木公園では3月、菜の花も被害に遭っていた。公園の北にある日時計周辺の花壇が現場だ。手入れなどをしている「代々木公園ボランティア」のメンバーが、数年前から観賞用に育ててきた。

 異変に気付いたのは、菜の花が伸び始めてきた3月半ばごろ。立ち入り禁止のロープ近くで、手を伸ばせば簡単に届く範囲の、つぼみの付いた若葉が刃物のようなもので茎から切られていた。被害は30平方メートルほどある菜の花畑の1割弱、100本ほどだ。

 菜の花には大きく分けて、油を搾るのに適したものと食用に適したものの2種類がある。狙われたのは、「おひたし」に向く種類だった。

 「犯人は意外にグルメかもしれない。1本や2本なら理解できるが、見て分かるほど摘んでいくのは明らかなマナー違反。ここまでする時代になったのでしょうか……」。公園ボランティアの小島道男会長(72)は嘆いた。(永沼仁)

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