【パリ福原直樹】スペイン政府は27日、メキシコから最近帰国した旅行者が、豚インフルエンザに感染していたことを確認した。欧州での感染確認はこれが初めて。こうした状況を受け、欧州連合(EU、27カ国)のワシリウ欧州委員(保健担当)は同日、加盟国の国民にメキシコや米国への渡航を自粛するよう求めた。EUは早急に保健相会議を開き、対策を協議する。EUの議長国チェコはEUの内閣である欧州委員会に、具体的な今後の対策の検討に入るよう求めた。
スペインでは約20人に感染の疑いが出ていた。ロイター通信などによると、感染が確認されたのはメキシコの大学に留学し、最近帰国したスペイン中南部出身の若い男性。26日に発熱と呼吸器の異常を訴え、入院した。現在、手当てを受けているが、症状は比較的軽いという。
スペイン公衆衛生当局は「感染の疑いのある人々も含め、重篤な症状の人はいない」と強調。対処用の薬剤の備蓄が十分にあることも強調した。
一方、スペイン当局は空港でメキシコからの便の乗客全員に対し、防護マスクをつけた係官が検査を実施。過去の便に関しても乗客リストを入手し、追跡調査を行う方針を示している。
毎日新聞 2009年4月27日 20時56分(最終更新 4月27日 21時14分)