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A.
韓国の感染症情報
1 感染症の流行状況
韓国では、次のような病気がみられます。
| 食べ物・水から感染する病気 |
虫が媒介する病気 |
その他の疾患 |
| ○細菌性赤痢、アメーバ赤痢 |
○マラリア |
○B型肝炎 |
| ○食中毒 |
○日本脳炎 |
○エイズ |
| ○腸チフス・パラチフス |
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○破傷風 |
| ○寄生虫疾患 |
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| ○ランブル鞭毛虫症 |
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| ○A型肝炎 |
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韓国は、温帯地域にあり、気候も明瞭な四季があって日本と酷似していますが、日本と比べ若干、春と秋が短いようです。
このように日本と同じような気候ですので、感染症も日本と同じく6〜9月の暑い時期に集中して発生します。流行する感染症は食中毒を主にした消化器系疾患ですが、この他にも発生数はわずかですが赤痢やA型肝炎も見られます。性病や寄生虫疾患などは、特に季節的な変化はありません。
| 2002年、全国の空港検疫所で韓国から帰国した1名から赤痢菌、4名から食中毒菌が検出されています。また、感染症発生動向調査によると国内で韓国から帰国した旅行者から赤痢患者1名、三日熱マラリア患者1名が報告されています。(国立感染症研究所:感染症週報より) |
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2 韓国での病気の予防方法
韓国には、さほど多くの感染症があるわけではありません。そのため、一般の観光地や市内で観光しているだけであれば、体調を整えておくだけでも、かなり病気の予防ができます。旅行に出かけると、どうしても疲れや飲み過ぎ食べ過ぎで知らない間に抵抗力が落ちてしまいます。このような場合、体に病原体が入ると簡単に病気になってしまいます。また、韓国には顎口虫症という寄生虫疾患がありますが、普通の食事をしていれば問題はありません。
そこで病気を予防する上で注意したいことを紹介します。
注意したい食べ物
| ◎生 野 菜: |
市場や屋台などで蠅がたかっているようなものは避けてください。赤痢・食虫毒や寄生虫にかかる危険があります。 |
| ◎生 も の: |
食中毒の流行する時期(6〜9月)には、日本でも生ものを控えるように衛生状態の良い韓国でもこの時期には、刺身・生ガキなどを食べるのは控えましょう。特に衛生状態の良くない屋台(ポチャンマチャ)では、食中毒やA型肝炎などに感染する危険が高いようです。たとえ一流レストランや高級ホテルであってもこの時期であれば食中毒菌に感染する恐れがあります。この他、いわゆる病気ではありませんが、不完全な調理によるフグ中毒が発生しています。また、カムルチーに代表されるような淡水の魚には顎口虫と言う寄生虫がおり、生や加熱が不完全な調理によって感染が引き起こされることがあります。命には別状ありませんが、人の皮下に寄生し有効な駆虫薬がないために駆虫が難しい病気ですのでご注意を。 |
| ◎生 水・氷: |
水道の設備は一応整っていますが、韓国の水は硬水で軟質の水に慣れた日本人は、下痢を起こすことがよくあります。水が飲みたい人は、ミネラルウォーターなどを購入してください。 |
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3 予防接種
入国時に要求される予防接種はありませんが、地方への旅行や長期滞在の場合には、一般にA型肝炎、破傷風、日本脳炎などの予防接種が勧められます。予防接種は、これまでの予防接種歴、滞在期間、旅行形態、出発までの期間でかわりますので、詳しいことはお近くの検疫所に問い合わせてください。
4 マラリア情報 (WHO INTERNATIONAL TRAVEL
AND HEALTH 2003)
マラリアの中では三日熱マラリアのみが、主に京畿道北部で見られます。
B.
韓国の医療情報
1 病気になった時
(1)処置
韓国で流行している病気は、日本とはあまり違いはなく、食中毒や、まれに赤痢、腸チフスなどの感染症が報告される程度ですが、寄生虫疾患やA型肝炎(B型肝炎も比較的多い)などすぐに症状がでない(潜伏期間が長い)病気もあり、注意が必要です。
抗生剤の乱用などの素人療法で逆に治療が遅れ、取り返しがつかなくなる危険があります。一時的に日本より持参した市販薬を使用するのは差し支えありませんが、体調に異常がある方は速やかに現地の病院を受診してください。
(2)韓国の医療機関
医療機関は、日本と同様、整備されており、技術的なレベルを心配する必要はなく安心して診療を受けられます。また、ホテルでは通常、医師のリストなどを用意してあるのでホテルを通じて診察を受けることもできます。
なお、日本と違い健康保険が利用できませんので外国人を対象にした病院では、風邪や腹痛でも数千円から数万円請求されることがありますので、注意してください。できれば海外旅行傷害保険に加入することをお勧めします。
薬は自由に購入できますが、概して効果が強めですので自分に合った薬を持参することをお勧めします。
なお、余談ですが、高麗人参は韓国の専売局保証の物が本物です。土産物屋で一般に売られているものは専売局の保証は付いていません。
参 考:海外勤務健康管理センター(JOHAC)
| 江北三星病院(高麗病院): |
住 所:鐘路区平洞108
TEL :02-739-3211
外国人専用クリニック02-723-2911
診療科:ほぼ全科 24時間救急対応 日本語可 |
| 順天郷病院: |
住 所:龍山区漢南洞657-58
TEL :02-709-9144,795-7191
診療科:ほぼ全科総合病院 24時間救急対応 日本語可 |
| 趙(チョウ)医院: |
住 所:龍山区東部二村洞漢江マンション11-204
TEL :02-794-1801
診療科:内科・小児科 日本語可 |
| ソウル大学病院: |
住 所:鐘路区蓮建洞28
TEL :02-760-2144,7601-0144
診療科:ほぼ全科 24時間救急対応 |
| 権(ゴン)小児科医院: |
住 所:龍王区東部二村洞チョンボアパート1301号
TEL :02-795-3357
診療科:小児科 日本語可 |
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電話番号については多少古い資料に基づいているため、多少変更していることがあるかもしれませんので、あらかじめご了承ください。
| 在大韓民国日本大使館: |
Embassy of Japan,
18-11, junghak-dong Jongro-gu,
Seoul, Republic of Korea.
(Seoul特別市鐘路区中学洞 18-11)
TEL (82-2)2170-5200, 739-7400(領事部)
http://www.japanem.or.kr/ (韓・日) |
| 在釜山日本総領事館: |
Consulate-General of Japan,
1147-11, Choryang3dong, Tong-gu,
Busan, Republic of Korea.
(釜山広域市東区草梁3洞1147-11)
TEL (82-51)465-5101〜6
http://www.japanbusan.or.kr/ (韓・日) |
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2 帰ってからの過ごし方
帰国して最初に受けるのは検疫です。滞在先で下痢、腹痛、発熱など体に異常があれば健康相談室で相談してください。赤痢やコレラ(韓国ではまず感染の危険はない)でも軽い症状ですんでしまうことが多いのですが、感染力は思ったより強いので、自分で大丈夫と思っていても家族や会社の人に感染することもありますので・・・・。
また、潜伏期間といって感染してから一定の期間がたたないと発病しない病気が数多くあります。検疫時は何ともなかったのに数日してから症状が出ることがあり、その時(症状が出た時)には、速やかに医師の診察を受けましょう。診察を受ける際には滞在した国と期間、蚊やノミ、ダニに刺されていたらそのことや、食べたものについても説明されると診断の役に立ちます。
帰国時に体に異常があればお気軽に検疫所へ相談してください。
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