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 【NHK「JAPANデビュー」問題 これまでの経緯】

  【NHKが「JAPANデビュー」で台湾の「反日」強調の偏向番組】

 4月5日(日)午後9時から1時間13分にわたって、NHK総合テレビがNHKスペシャル「シリーズ・JAPANデビュー」の第1回として「アジアの“一等国”」というタイトルの番組を放送した。
 「未来を見通す鍵は歴史にある」として、日本が一等国に登りつめて敗戦を迎えるまでを追うという最初が台湾における日本統治時代を扱ったものだった。
 ところが、番組の内容はとても見るに耐えないほどの偏向ぶりだった。「領有直後から問題が噴出」したとして、聞き慣れない「日台戦争」という呼称が出てくるし、後藤新平は出てきても、それは台湾人3000人を処刑した匪徒刑罰令の実行者として出てくる。また、台湾特産の樟脳産業を立て直すために基隆港を大型化し縦貫鉄道を敷いたと説明する始末だ。
  李登輝総統時代に出た『認識台湾』(1997年)では、第7章に「日本植民統治時期の政治と経済」、第8章に「「日本植民統治時期の教育、学術と社会」を設け、例えば米やサトウキビの生産については「米の増産と糖業王国の確立」との見出しの下、生産量のグラフを掲載していかに生産量が上がったかを示していた。縦貫鉄道については「各地を結ぶ交通運輸を改善した」と記していた。
 NHKは、台湾における日本統治観からも大きくかけ離れたこのような「自虐的な歴史観」を呈していったい何を企んでいるのだろう。
 その「キーワード」は「皇民化」だ。それが改姓名であり宗教弾圧、その行き着く先が21万人の台湾人が戦場に送られたことだと説明する。それも、これまで親日的と言われた台湾で、日本語世代と呼ばれる人々が話す日本語を通じて日本の統治に異を唱える発言ばかりをピックアップすれば「親日的とも言われる台湾で、今も残る日本統治の深い傷」をえぐり出したことになる。
 台湾の改姓名を朝鮮の創始改名と同列視しているが、台湾の改姓名者は3%以内に止まっていて87%もの朝鮮との違いは何一つ説明されない。宗教弾圧にしても、17代の小林躋造総督の次の長谷川清総督はその政策の行き過ぎを改めているのだが、それは説明されない。
 ある程度台湾を知り、日本語世代の方々と交流のある日本人なら、こういうバランスの悪い番組には嫌悪感を覚えたはずだ。悪意さえ感じたのではないだろうか。(4月7日))


【本会がNHKに「公開討論会の開催と登壇の要請」 】


 24日、日本李登輝友の会の小田村四郎会長は石井公一郎(元ブリジストン自転車会長)、岡崎久彦(岡崎研究所理事長)、加瀬英明(外交評論家)、中西輝政(京都大学大学院教授)、田久保忠衛(外交評論家)の5人の全副会長との連名で、NHKの福地茂雄会長に「公開討論会の開催と登壇の要請」を行った。
 これは、要請書に書いているように、4月14日付で届いた「ジャパンプロジェクト」エグゼクティブ・プロデューサーの河野伸洋氏による「回答」に対して再抗議しても、恐らく同様の弁解的な内容となるとの判断に基づき、当該番組を検証する公開討論会の開催を要請したものだ。この公開討論会はNHKと本会の共催とし、NHKを代表して福地茂雄会長、番組担当者として河野伸洋氏と濱崎憲一氏に登壇を要請している。回答期限は4月30日としている。
 果たしてNHKは公開討論会に応ずるのか。番組を検証するための公開討論会だ。それが多くの批判に答えることにもなる。NHKにはぜひ応じて欲しいものである。


 公開討論会の開催と登壇の要請

 貴日本放送協会(以下、NHK)が去る四月五日に放送した「NHKスペシャル シリーズ JAPANデビュー 第一回 アジアの一等国=vに対し、本会は四月十日、福地茂雄会長宛に「日本が一方的に台湾人を弾圧したとするような史観で番組を制作することは、公共放送として許されるべきではない」として、番組の脚本を作成する上で参考にした書籍など全資料の開示を要望する抗議声明を手交し、その際、濱崎憲一ディレクターとの面談も要望した。

 これに対して、四月十四日付で、福地会長に代わって当該番組責任者の河野伸洋エグゼクティブ・プロデューサーより回答があった。約束を違えず早々に回答をいただいたのはよしとするも、回答は私どもの期待していたものと大きくかけ離れ、自己弁護に汲々とした不誠実な内容であった。要望にも応えていない。

 回答では番組の趣旨をいろいろ説明しているが、放送を見た結論として、反日的と思われる発言だけを取り上げた印象は拭えないが故に抗議声明を出したのであり、あのような内容では「歴史の事実を共有すること」は到底望めないのは自明の理である。

 現に、取材を受けた台湾の柯徳三氏は「(NHKには)八田與一のことや、後藤新平のことなどもいろいろ話したのに、そこを全部カットした。同窓会の改まった席で誰かが火ぶたを切って不満を話した部分だけが放映され、あたかもあそこにいた人全員が反日的であるかのように宣伝された。……なぜNHKは私が話したプラスの面を一つも流さなかったのか」と、自著を出版した版元ホームページにわざわざコメントを寄せている。これは抗議声明の「台湾人の証言を都合よく操作し、『反日台湾』を印象付けるためだったのかとしか思えない」という記述を裏付けるコメントだ。

 また、回答には視聴者から当該番組を支持する声が多数寄せられたというが、本会には多くの批判的感想が寄せられ、支持する声は一つとしてない。「週刊新潮」(四月十六日発売)も台湾をよく知る有識者のコメントを多数掲載し、この番組がいかに事実を歪曲した「超偏向番組」であったか特集を組んだ。他の有識者からも「こんなNHKに受信料を払う理由がどこにあるのか」といった批判の声が澎湃として起こっているが、政界にもすでにその偏向ぶりを問題視する動きが出ている。

 ところで、私どもが再び抗議声明を呈したとて、恐らく「回答」は前回と同様の内容となるのは容易に想像がつく。そこで、ここに当該番組を検証する公開討論会の開催を要請する。この公開討論会はNHKと本会の共催とし、NHKを代表して福地茂雄会長、番組担当者として河野伸洋氏と濱崎憲一氏に登壇を要請する。この要請に対する回答期限は四月三十日までとする。


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◆【「NHKが反日偏向番組」 台湾統治で町村派議員批判】

 自民党町村派の23日の総会で、5日放送のNHK番組(NHKスペシャルシリーズ・JAPANデビュー 第1回『アジアの“一等国”』)について、批判が相次いだ。

 番組は日本の台湾統治を取り上げたが、稲田朋美衆院議員は「台湾は李登輝元総統など親日家が多いのに番組は反日の部分だけを偏向して報じた」と批判。町村信孝前官房長官も「番組をみたが率直に言って首をかしげた」と同調した。安倍晋三元首相は「週刊新潮も取り上げたが、番組はひどすぎる。関心を持ってこのシリーズを見てほしい」と呼びかけた。

 中山成彬元文部科学相も記者団に、自らが会長を務める議連「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」としてNHKへ公開質問状を出す意向を示した。【産経新聞 4月24日】


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◆【NHK番組偏向問題 町村派総会で批判続出】


 NHKスペシャル「シリーズ JAPANデビュー 第1回『アジアの“一等国”』」5日放送)放送の偏向・歪曲報道問題が、23日の自民党町村派総会で取り上げられた。放送直後から、日台双方で批判が噴出している問題に、政界が本格的に取り組み始めた。

 番組は、日本による台湾統治について、日台間の格差と同化という矛盾を抱え、皇民化運動で日本文化を強制した─などと放送した。

 町村派総会では、まず司会の稲田朋美衆院議員が「あまりに一面的な番組で驚いた。日本統治時代の反日的な部分だけを、いわば偏向して報道するのはいかがなものか」と口火を切った。

 続いて、会長の町村信孝元外相も「その番組は私も見た。率直にいって、私も首をかしげた。今のマスコミの偏向ぶりはみなさん感じていると思う」と続いた。

 この後、総会はマスコミ非公開となったが、出席者によると、中山成彬元文科相が「台湾に行くと、台湾の人々は(生涯を台湾発展に尽くした)八田與一さんをはじめ、日本に感謝している」といい、「私が会長をやってる議連『日本の前途と歴史教育を考える議員の会』で、NHKに公開質問状を出したい」と発言した。

 安倍晋三元首相も「あの番組はおかしい。(JAPANデビューは)シリーズとして続くと聞いている。(議員の方々には)関心を持って見ていただきたい」と呼びかけた。

 同局HPによると、5月3日放送予定の第2回は「天皇と憲法」となっている。【4月24日 夕刊フジ(4月25日付)】


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◆【小林よしのり氏もNHK「JAPANデビュー」を見て激怒】
   〜「SAPIO’S EYE」特別版では林建良氏が「親日台湾を侮辱した」と批判〜

 本会主催の映画「海角七号」試写会に来場した漫画家の小林よしのり氏が、4月5日放送の「NHKスペシャル シリーズJAPANデビュー・第1回 「アジアの“一等国”」を見て、激怒している。

 22日発売の「SAPIO」誌(5月13日号)で連載中のゴーマニズム宣言スペシャル「天皇論」の欄外でそのことを3ページにわたって書いている。「『天皇論』の連載を終えたら、NHKに戦いを挑まねばならぬだろう。わしはずっときちんと受信料を払ってきたのにふざけやがって! 『ゴー宣スペシャル・NHK反日論』を作るか?」とまで憤っている。下記にそれを紹介したい。

 「SAPIO」誌は毎号、目次の前に「SAPIO’S EYE」というコーナーを設け、「SAPIO」の主張を掲載している。だが、この5月13日号では何と「特別版」と銘打ち、本会の林建良常務理事が「NHKスペシャルは『日本精神』を尊敬する『親日台湾』を侮辱した」と題して執筆している。

 林建良氏は「衝撃は日本人以上に台湾人の方が大きかった」として、NHKディレクターによる欺瞞的な取材を指摘し、「彼らが晩年まで大切にしていた精神の砦は、無残にもこの若い日本人によってぶち壊されたのだ」と怒りをぶちまけている。そして、日本人に次のように問う。

 ≪(台湾侵略を目論む中国)そのような侵略国家に加担するNHKは、今や銃口を自国民に向ける洗脳軍隊に化けた。日本人は何時までその怪獣を養い続けるのか。≫

 小林氏の力作「天皇論」も第8章「宮中祭祀と三種の神器」も20ページの渾身作。まだ読んでいない方はぜひ!【編集部】

 ■NHKスペシャル「シリーズJAPAN」の台湾の回を見て、わしは激怒した。わしの『台湾論』を完全否定している! 李登輝も金美齢も蔡焜燦も林建良も黄文雄も全員、嘘を言っているのか? 台湾人が日本に恨みしかないのなら、なぜ「海角7号」が台湾映画史上空前の大ヒットになった?(P.70)

 ■台湾映画「海角7号」の試写を見た。台湾人の日本への切ない思いが若い世代にまで伝わっている。この無意識の日本への愛を、日本人が受け取れるのか? NHKが「日台戦争」などというウルトラ・デマを流すような現状では、あの映画の意味が日本人には伝わらないかもしれない。(P.71)

 ■NHKスペシャル「シリーズJAPAN」は3年に亘って日本を貶める嘘を垂れ流す予定だという。『天皇論』の連載を終えたら、NHKに戦いを挑まねばならぬだろう。わしはずっときちんと受信料を払ってきたのにふざけやがって! 『ゴー宣スペシャル・NHK反日論』を作るか?(P.72)


◆【堤堯氏も東スポのコラムでNHK「JAPANデビュー」の偏向を指摘】
    〜「台湾が尊敬する日本人を悪人扱い─NHKは北京放送局に変わったのか」〜

 
 21日発売の「東京スポーツ」紙で、ジャーナリストで元「文藝春秋」編集長の堤堯(つつみ・ぎょう)氏がNHK「JAPANデビュー」の偏向ぶりを舌鋒鋭く指摘している。

 堤氏は「台湾が尊敬する日本人を悪人扱い─NHKは北京放送局に変わったのか」と題し、「台湾が尊敬する日本人」、つまり後藤新平と八田與一を例に挙げ、その事績を紹介しつつ、李登輝元総統から直に聞いた話を紹介している。そして「この番組を彼が見れば、いったい何というか」と嘆じている。

 だからNHKは「北京放送(中央電視台)に変じたとしか思えない」と述べ「番組人事を総入れ替えせよ」と要求している。「さもなくば、受信料不払い運動で対応するしかない」と断ずる。

 先に「週刊新潮」(4月16日発売)のコラム「変見自在」で、「こんなNHKに受信料を払う理由がどこにあるのか」と憤る高山正之氏の見解を思い出していただきたい。結論はやはり同じだ。これがあの番組を見た日本人の正常な反応だろう。おかしいのはNHKなのである。

 なお、堤氏の文中、後藤新平が「台湾総督」とあるが後藤は民政長官などケアレスミスがあるが、指摘されている大事の前の小事、ご愛嬌にすぎない。

 台湾が尊敬する日本人を悪人扱い NHKは北京放送局に変わったのか
                
【4月21日 東京スポーツ 堤堯「阿呆の遠吠え」第358回】

 いよいよNHKがおかしい。さきごろ放映したスペシャル番組の第一回「アジアの“一等国”」だ。

 日本の台湾統治時代を取り上げ、まずは「人間動物園」と称する写真を掲げる。ロンドンの日英博覧会に先住民のパイワン族を連れて行き、これを見世物にしたとする。彼らは民族の踊りや模擬戦闘を披露した。大相撲や歌舞伎の海外公演と同じだ。どこを押せば「人間動物園」なのか。

 ついで台湾総督・後藤新平を登場させ、もっぱら極悪非道の圧政者として描く。後藤はこの「化外の地」を近代化した。四百キロの縦貫鉄道を敷き、道路、学校、病院などのインフラを整備した。主要輸出品の樟脳や米、砂糖キビの殖産にも務めた。中で最大の貢献は烏山頭水庫、別名「八田ダム」の建設だ。

 本欄269回で触れたから詳述しないが、技術者・八田与一が11年がかりで完成させたこのダムのお蔭で、かつてはマラリアが猖獗(しょうけつ)を極めた15万ヘクタールの荒蕪(こうぶ)の土地が緑の沃野(よくや)に一変し、年に3毛作を可能にした。切り拓いた水路の長さは万里の長城の6倍におよぶ。台南地帯200万人の飲料水でもある。

 のちに八田は戦死、夫人はこのダムに身を投げて夫に殉じた。八田夫妻の物語は台湾で有名だ。番組には八田の「ハ」の字も出て来ない。八田を任命したのが後藤新平だ。2人はいまも台湾人に慕われる。

 小欄は台湾の元総統・李登輝氏からジカに次の言葉を聞いた。

 「後藤新平は私の先生です。後藤新平が台湾の近代化をやり、私が民主化をやりました」

 この番組を彼が見れば、いったい何というか。日本の植民地政策は、もっぱら悪と見なされる。しかしアジアを収奪し尽くした欧米列強のうち、日本のように巨費を投じてまでその地に福利をもたらした例があるか。八田夫妻のような献身の例があるか。寡聞にして知らない。

 06年、台湾の雑誌「遠見」が20歳以上の1000人にアンケートした。「一番移住したい国」「一番尊敬する国」の筆頭に、日本が挙げられている(盧千恵『私の中のよき日本』)。

 NHKは日本の国営放送だ。それが北京放送(中央電視台)に変じたとしか思えない。番組人事を総入れ替えせよ。さもなくば、受信料不払い運動で対応するしかない。


つつみ・ぎょう 1961年、東京大学法学部卒。同年、文藝春秋入社。「文藝春秋」編集長、第一編集局長、出版総局長などを歴任。常務を経て退社。著書に『昭和の三傑─憲法九条は「救国のトリック」だった』『阿呆の遠吠え』がある。


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◆【NHK「JAPANデビュー」問題で「証言者」の柯徳三氏が怒りのコメント】
     〜母国は日本 祖国は台湾』の桜の花出版のホームページにもコメント〜


 NHK「JAPANデビュー」問題では多くの方より「怒りの声」をいただいている。本誌でもかなりの数をご紹介しているが、この番組を擁護したり支持したりする投稿は一つもない。

 NHKの「回答」には「視聴者からも、事実を初めて知り、そのことを踏まえて関係を築いていくことの大切さを記した意見が多数寄せられました」とあるが、不思議なことだ。実はNHKの関係者によると、この「多数」とは20件くらいだという。それも「この数字は伏せて下さい」と口止めされたという。

 確かに、領台当初から終戦まで、日本がいかに台湾人を差別し弾圧したか、日本の極悪非道ぶりを延々と描けば、不安に駆られる人も出てくる。しかし、この番組は台湾の日本統治時代の全体像を描いていない。光と影の「影」を強調したに過ぎない内容だから、多くの人は偏向しているという印象を抱いたのである。

 それも、「親日的とも言われる台湾に、今も残る日本統治の深い傷」があるのだとして、これまで親日的と言われた台湾の日本語世代を証言者に仕立て、日本時代に受けた差別などについて「台湾においては一等国民は内地人で、二等国民が琉球だ。三番目が台湾人だ」「もう嫌だな、嫌だ。差別、馬鹿にしよって」「あの二十何年間の教育というのは、実に恐ろしいね。頭が全部ブレーンウォッシュ(洗脳)されているからね」などの発言を差し挟み、いかにも信憑性があるかのような手の込んだ巧妙な作り方なのだ。

 これでは、台湾についてあまり知らない日本人にとっては、彼らが日本語を話すことも「深い傷」だと思ったことだろう。

 ところが、これらの「証人」の中でも、「頭が全部ブレーンウォッシュ(洗脳)されているからね」などと証言していた目玉証人でもある柯徳三氏が「週刊新潮」(4月16日発売)で「確かに差別も受けたが日本は台湾に多くのものを遺してくれた、ということ。……私が一番伝えたい部分でした。だが、そうした発言は悉くカットされた」と、不本意な意中を吐露しているのだ。

 柯氏はまた「NHKがこんな番組を作った背景には、日台の関係を引き裂こうとする中共の意向があるのではないか」と、中国とNHKによる日台離間の陰謀説さえ述べているほどだ。

 さらに、驚いたことに、『母国は日本 祖国は台湾』という日本語の著書もある柯氏は、版元である桜の花出版のホームページにもコメントを寄せていた。そこに「(NHKには)八田與一のことや、後藤新平のことなどもいろいろ話したのに、そこを全部カットした。同窓会の改まった席で誰かが火ぶたを切って不満を話した部分だけが放映され、あたかもあそこにいた人全員が反日的であるかのように宣伝された。……なぜNHKは私が話したプラスの面を一つも流さなかったのか。……あそこに出た皆が怒っているのは、日本が、養子にした台湾を終戦後にポンと捨てて蒋介石にやってしまったことです」と、NHKに対する憤懣をつづっているのである。

 NHKの取材内容がどのようなものだったのか、これから徐々に明らかになっていくだろうが、少なくとも取材された柯徳三氏自身はNHKに対して明らかな不信感を抱いている。柯徳三氏のコメントにこそ「真実」があるのは、誰の目にも明らかだ。

 桜の花出版に寄せた柯徳三氏のコメントの全文を下記にご紹介したい。【編集部】

NHKスペシャル シリーズJAPANデビューに対する柯徳三氏(出演者)のコメント
■桜の花出版


 2009年4月5日、午後9時から放送されたNHKスペシャルのシリーズJAPANデビュー「第1回 アジアの”一等国”」に、『母国は日本 祖国は台湾』の著者である柯徳三氏が登場されました。

 NHKでは一方的に台湾が反日的であるかのような発言ばかりが放送されましたが、これについて柯徳三氏ご本人からコメントを頂きましたので、ご紹介致します。

 「(NHKには)八田與一(注1参照)のことや、後藤新平(注2参照)のことなどもいろいろ話したのに、そこを全部カットした。同窓会の改まった席で誰かが火ぶたを切って不満を話した部分だけが放映され、あたかもあそこにいた人全員が反日的であるかのように宣伝された。(自分の発言について)弁解がましいことを言う気はないが、なぜNHKは私が話したプラスの面を一つも流さなかったのか。あの番組を見て私のところに電話をかけてきた人にはそう言った。私の本(『母国は日本 祖国は台湾』小社刊)の240ページ以降を読んでもらえれば私の真意は分かってもらえると思う。私は反日でも親日でもなく、知日派だと思っています。

 あくまでも日本は私のお母さんで、育ててくれた恩義を感じています。あそこに出た皆が怒っているのは、日本が、養子にした台湾を終戦後にポンと捨てて蒋介石にやってしまったことです。それに対して、日本からはすまなかったの一言もない。(極論すれば、)恨み言の根底は戦後の日本の態度であって、領台時代の差別とかいうことではないのです。」

 NHKの放送は意図的に偏った形で放送されたものであることを多くの方に知って頂きたいと思います。小社では、『母国は日本 祖国は台湾』の内容を多くの人に知って頂くため、インターネットから内容の一部を無料で閲覧できるように致しました。一人でも多くの方に、ご紹介ください。

 柯徳三氏からは小社に対して「NHKのむこうをはって、アジアでの日本の活躍を、良い面悪い面両方を書いたらいいよ」という言葉を頂いたことも付け加えておきます。

注1)八田與一…日本統治時代に台湾の農業水利事業に貢献した事で知られる技術者。台湾ではその業績が高く評価されている。

注2) 後藤新平…台湾総督府民政長官として台湾の経済改革とインフラ建設に力を尽くし、成果を挙げた。


◆【「夕刊フジ」が NHK「JAPANデビュー」問題の政界波及を報道】
   〜「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」がNHKに意見書を提出予定〜

 NHK「JAPANデビュー」問題はどんどん拡大しているようだ。20日発売の「夕刊フジ」が「NHK『偏向報道』政界に波及」との見出しの下、「自民党の保守系議連『日本の前途と歴史教育を考える議員の会』(会長・中山成彬元文科相)が近く、同局に質問形式の意見書を提出することが20日、分かった」と報じている。

 国会議員で構成する議員連盟は「要望書」「質問所」「意見書」などの形で対象機関に対応するが、「意見書」はもっとも強い形だ。

 「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」は、いわゆる「従軍慰安婦」問題が起こったとき「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」として、中川昭一議員が会長となって平成9年(1997年)2月に発足している。「教科書議連」とも呼ばれ、『歴史教科書への疑問』という本も出している。平成16年には「メンバーの大部分が若くもない」ということで「若手」が取れ、現在の名称に変更している。中川昭一、下村博文などの会長の後を受け、平成18年12月、会長に就任したのが文部科学大臣をつとめた中山成彬議員だ。

 今後、日台関係を促進しようと国会議員で作る自民党の「日本・台湾 経済文化交流を促進する若手議員の会」(岸信夫会長、略称:日台若手議連)なども対応するとみられている。【編集部】                               



 NHK「偏向報道」政界に波及
      5日放送「アジアの“一等国”」自民議連が意見書【4月21日・夕刊フジ】(4月20日発売)

 NHK総合テレビが5日に放送した「NHKスペシャル シリーズJAPANデビュー第1回『アジアの“一等国”』」の内容に対し、有識者らが「偏向・歪曲報道」などと批判している問題で、自民党の保守系議連「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」(会長・中山成彬元文科相)が近く、同局に質問形式の意見書を提出することが20日、分かった。問題はついに政界に波及することになった。

 ■今週中にも提出 「日本が一方的に台湾人弾圧」日台双方で批判続出

 番組は、日清戦争後の日本による台湾統治について、一等国を目指して統治の成功を海外に誇示したが、日台間の格差と同化という矛盾を抱え、やがて皇民化運動で日本文化を強制した─などと放送した。

 これに対し、日台の文化交流を進める民間団体「日本李登輝友の会」(小田村四郎会長)は10日、「日本が一方的に台湾人を弾圧したとするような史観で番組を制作することは、公共放送として許されるべきではない」という抗議声明を、NHKの福地茂雄会長あてに提出した。

 声明には、元タイ大使で外交評論家の岡崎久彦氏、京大大学院の中西輝政教授らの名前も。また、ジャーナリストの櫻井よし子氏は週刊新潮で「全篇が“歪曲報道”の連続」と指摘し、評論家の金美齢氏も「“偏向番組”の一語に尽きます」と批判した。

 議連では、日台双方から同様の批判が続出していることを受け、NHKあての意見書を作成しており、今週中にも提出するという。NHKの予算は毎年度、国会で承認を得ることが放送法で決められている。

 李登輝友の会の抗議声明に対し、NHKは14日付で、担当のエグゼクティブ・プロデューサー名で「(番組は)日本が最初の植民地とした台湾に、近代日本とアジアの原点を探り、これから日本がアジアの人々とどう向き合っていけばよいか、未来を生出きるヒントを探ろうとしたもの」「なにとぞ番組の趣旨をご理解いただきたいと思います」といった回答を寄せている。

 だが、李登輝友の会の柚原正敬専務理事は夕刊フジの取材に「回答はとても納得できない。担当プロデューサーやディレクターにも出席してもらい、公開討論会を呼びかけたい」と話している。

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◆【NHK「JAPANデビュー」問題で「週刊新潮」が特集】

 16日発売の「週刊新潮」(4月23日号)がNHK「JAPANデビュー」問題を大きく取り上げ、批判している。巻頭特集として「歴史歪曲と『台湾人』も激怒したNHK『超偏向』番組」と題し、その反日的な歪曲ぶりを紹介し、歪曲以上の問題として「台湾の人々の証言が、編集の名のもとに恣意的に“操作”され、日本を貶める論調に利用された」ことを追究している。

 ここに登場するのは、金美齢(評論家)、永山英樹(台湾研究フォーラム会長)、櫻井よしこ(ジャーナリスト)、柯徳三、平野久美子(ノンフィクション作家)、柚原正敬(日本李登輝友の会事務局長)、林建良(メルマガ「台湾の声」編集長)、碓井広義(東京工科大学教授)の方々だが、いずれもこの番組がいかに事実を歪曲した「超偏向番組」であるかを語っている。

 特にNHKから取材を受けた柯徳三氏が「確かに差別も受けたが日本は台湾に多くのものを遺してくれた、ということ。……私が一番伝えたい部分でした。だが、そうした発言は悉くカットされた」と、不本意な意中を吐露しているのは見逃しがたい。だから柯氏は「台湾が反日であるかのような誤った情報が強調されれば、二国間の関係に水を差すことになる」と、NHKの報道姿勢に危惧の念を表明し、「NHKがこんな番組を作った背景には、日台の関係を引き裂こうとする中共の意向があるのではないか」と、中国とNHKが結託しているのではないかとの陰謀説さえ述べるのである。

 さあ、取材した相手、それも台湾に「植民地時代の差別、戦争の深い傷が残されている」ことを証明しようとして立てた「証人」の中でも、目玉の柯徳三氏にまで批判されるNHKのこの「JAPANデビュー」、今後のNHKの対処が見物だが、未読の方はぜひこの「週刊新潮」を読んでいただきたい。番組を観たときの「怒り」がさらに倍加して湧き起こってきます。【事務局】


◆【<NHK問題> 当該番組責任者から本会に「回答」】

 本会の小田村四郎会長は4月10日、「NHKスペシャル シリーズ JAPANデビューの第1回「アジアの“一等国”」の放送内容について、「日本が一方的に台湾人を弾圧したとするような史観で番組を制作することは、公共放送として許されるべきではない」とする4月9日付の「抗議声明」を福地茂雄・NHK会長宛に手交した。
 要望は2つ。1つは抗議声明にもあるように「この番組の脚本を作成する上で参考にした書籍など全資料の開示」。2つ目は番組ディレクターの濱崎憲一氏への面談である。

 15日、当該番組責任者のエグゼクティブ・プロデューサー、河野伸洋氏より小田村会長宛に14日付の「回答」が届いた。
 まずは「必ず返答する」という約束を守っていただいたことに安堵した。だが、予想はしていたものの、自己弁護に終始する、不誠実ともいえるその内容に落胆した。「歴史の事実を共有することで、日本と台湾、日本とアジアの真の絆を見いだしたい」という番組の趣旨だそうで、では「歴史の事実」とは何かというと「植民地時代の差別、戦争の深い傷が残されているという事実」だという。それが「日本と台湾のさらに強くて深い関係を築いていくことに資する」という。

 台湾に「植民地時代の差別、戦争の深い傷」が残っていることは、台湾関係者ならほぼ誰でもが知っている事実だ。だが一方で、日本統治を評価していることも事実なのだ。だから、「植民地時代の差別、戦争の深い傷」だけを描くこの番組のバランスの悪さに、台湾の日本語世代の方々をはじめ多くの人々が違和感を抱いたのである。
 ともかく、NHKからの「回答」をお目にかけたい。この「回答」についてのご意見をお願いします。【本会事務局長 柚原 正敬】(4月17日))


 日本李登輝友の会
 会長 小田村四郎様

 貴日本李登輝友の会から日本放送協会会長宛に送られた「NHKスペシャル シリーズJAPANデビュー 第1回 アジアの“一等国”」に対する抗議声明について、会長に代わって当該番組の責任者として小職が回答させていただきます。

 NHKでは、この4月から3年間にわたる企画として「プロジェクトJAPAN」をスタートさせました。近現代史の大きな節目を迎えるこの三年間に、ドキュメンタリー、スペシャルドラマ「坂の上の雲」などプロジェクト関連番組を多角的に展開し、歴史の中にこれからの日本を考えるヒントを探っていこうというのが、プロジェクトJAPAN」の趣旨です。

 初年度のNHKスペシャルは、「JAPANデビュー」と題し、横浜が開港した1859年から1945年までを描くシリーズを制作しています。西洋列強に倣って近代国家をめざし、第一次世界大戦後には五大国のひとつになった日本が、その後国際社会の中で孤立し、焼け野に立つに至った歴史の流れを、世界各国の一次資料、時代を生きた人々の証言、研究者の分析などを通じて検証するシリーズです。第1回のテーマが「アジア」であり、日本が最初の植民地とした台湾に、近代日本とアジアの原点を探り、これから日本がアジアの人々とどう向き合っていけばよいのか、未来を生きるヒントを探ろうとしたものです。

 声明の中に、「『反日台湾』を印象付けるためだったのかとしか思えない内容」、また「日台離間を企図しているのかとさえ思われる内容」と記されていますが、番組の趣旨はまったく異なり、歴史の事実を共有することで、日本と台湾、日本とアジアの真の絆を見いだしたいと考えたものです。
後藤新平についても、民政局長として着任し、台湾全土の調査を行ってから、台湾統治の成果をあげ、「台湾10年間の進歩」という欧米向けのパンフレットを発行するに至った経緯を、台湾総督府文書やイギリス領事館の報告など一次資料をもとに、事実を積み上げて紹介しています。
「日台戦争」については、この戦いの研究を進めていた日本の専門家が1990年代に名付け、以後研究者の間ではこの表現が使われるようになっています。

 台湾が親日的であるという事実は、多くの日本人が認識していることであり、この番組でも決して否定していません。一方そうした台湾にも、植民地時代の差別、戦争の深い傷が残されているという事実を伝えることが、日本と台湾のさらに強くて深い関係を築いていくことに資すると考えています。視聴者からも、事実を初めて知り、そのことを踏まえて関係を築いていくことの大切さを記した意見が多数寄せられました。なにとぞ番組の趣旨をご理解いただきたいと思います。

 なお、番組制作にあたっては、2万6千冊の台湾総督府文書や、イギリス、フランスの外交史料をはじめ膨大な一次資料を読み込み、また国内や海外で数多くの研究者を取材しています。
以上、ご理解よろしくお願いいたします。

平成21年4月14日
日本放送協会 ジャパンプロジェクト
エグゼクティブ・プロデューサー 河野伸洋



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◆【本会が「JAPANデビュー」問題でNHKに抗議声明を手交】

 4月5日の放送翌日から日本李登輝友の会本部には「NHKスペシャル シリーズ JAPANデビュー 第一回 アジアの“一等国”」をご覧になった感想が寄せられ、本誌でも「怒りの声」としてご紹介しています。
 ご案内のように、「あまりにも実態とかけ離れている。日本語世代の発言の中で、反日的と思われる発言だけを取り上げた印象を拭えない」との感想を抱いた本会の小田村四郎会長は、やはり同様の違和感を抱いた石井公一郎、岡崎久彦、加瀬英明、中西輝政、田久保忠衛の5人の全副会長との連名で、福地茂雄・日本放送協会会長宛に「抗議声明」をしたためました。
 10日午前、柚原正敬・常務理事が東京・渋谷のNHKセンターに行き、その「抗議声明」を手交してまいりました。NHK側から必ず返答すると約束を取り付けてきましたので、返答があり次第、本会HP・メールマガジンでもご紹介します。(4月10日)


 「NHKスペシャル シリーズ JAPANデビュー 第一回 アジアの一等国=vに対する抗議声明

 貴日本放送協会(以下、NHK)は、去る四月五日午後九時から「NHKスペシャル シリーズ JAPANデビュー 第一回 アジアの一等国=vという番組を放送した。

 私どもは台湾を「日本の生命線」と位置づけ、日本と台湾の交流のシンボルである李登輝元総統の名を冠し、平成十四年に台湾との文化交流を目的に設立した団体であり、台湾の日本統治時代にも深い関心を抱いてこれまで活動してきている。そこで今回の放送は多大の関心を持って観た。

 だが、期待はものの見事に打ち砕かれた。私どもが知る台湾の日本語世代の人々の常日頃の発言と大きくかけ離れており、反日的と思われる発言だけを取り上げた印象は拭えず、日本の台湾統治時代を批判するため、台湾人の証言を都合よく操作し、「反日台湾」を印象付けるためだったのかとしか思えない内容であった。光と影の影のみを強調した印象は否めない。また、日台離間を企図しているのかとさえ思われる内容でもあった。

 番組を観た多くの方からも「実にひどい番組」「偏見に充ちた内容」という感想が寄せられている。台湾からも「大変不快だった」との声が寄せられ、若い世代の間では「僕のおじいちゃんは日本大好きなのに、あの番組は変だよ」「NHKはどうしてこんないい加減な番組を日本人に見せるのだろう」という疑問の声が噴出しているという。

 番組内容には批判すべき点が多々あるが、聞き慣れない「日台戦争」という呼称が出てくるし、後藤新平は出てきても、それは台湾人三千人を処刑した匪徒刑罰令の実行者として出てくる。また、台湾特産の樟脳産業を立て直すために基隆港を大型化し縦貫鉄道を敷いたと説明する。

 しかし、八田與一や後藤新平の事績を高く評価する李登輝氏の総統時代、一九九七年に台湾で刊行された中学校の歴史教科書の副読本『認識台湾』では、第七章に「日本植民統治時期の政治と経済」、第八章に「「日本植民統治時期の教育、学術と社会」を設け、例えば米やサトウキビの生産については「米の増産と糖業王国の確立」との見出しの下、生産量のグラフを掲載していかに生産量が上がったかを示していた。縦貫鉄道については「各地を結ぶ交通運輸を改善した」と記していた。

 確かに台湾統治では同化政策を進めた。差別もあった。この差別について、特に台湾の日本語世代は日本人の前ではあまり語りたがらない一面があることを私どももよく知っている。だが、日本統治を評価していることも事実なのである。それは、八田與一を高く評価していることに如実に現れている。故に、台湾をよく知る人々には、著しくバランスに欠けた内容と映じ、統治時代の歴史に真正面から向き合っていないという印象を強く残したのである。

 従って、日本が一方的に台湾人を弾圧したとするような史観で番組を制作することは、公共放送として許されるべきではない。

 ついては、ここに今回の放送内容に厳重抗議する。それとともに、この番組の脚本を作成する上で参考にした書籍など全資料の開示を要求する。

平成二十一年四月九日
日本李登輝友の会

会長 小田村四郎
副会長 石井公一郎
岡崎久彦
加瀬英明
田久保忠衛
中西輝政

日本放送協会 会長 福地茂雄殿


◆【NHKの「反日」台湾強調の偏向番組「JAPANデビュー」に怒りの声続々】
    〜本会は小田村四郎会長が正式に抗議声明を発表〜

 NHKが4月5日に放送したNHKスペシャル「シリーズ・JAPANデビュー」第1回「アジアの“一等国”」を観た読者から続々と感想が寄せられている。

 台湾でもこの番組を観ていた人が結構いたようで、放送の翌日はもっぱらこの話題に終始し、若い世代の間でも「僕のおじいちゃんは日本大好きなのに、あの番組は変だよ」「NHKはどうしてこんないい加減な番組を日本人に見せるのだろう」という疑問の声が多数を占めたそうだ。蔡焜燦氏からも「大変不快だった」との声が寄せられている。

 NHKへの抗議も電話やメールでかなり届いているようで、メールでNHKスペシャル「感想・問い合わせ」に抗議した方から、次のような返答があったと転送いただいた。

≪いつもNHKの番組やニュースをご覧いただき、ありがとうございます。お問い合わせの件についてご連絡いたします。
 4月5日(日)放送【NHKスペシャル シリーズ JAPANデビュー 第1回「アジアの“一等国”」】をご覧いただき、ありがとうございます。
 番組は、『台湾の人びとは親日的』という捉え方を否定していません。そうした捉え方があることを前提として、日本の植民地支配を実際に体験した台湾の人びとが当時どのように感じ、どのように生きたのか、いう実態を明らかにすることで、アジアと日本の歴史に真正面から向き合うことを目的としています。そうした過去を直視することで、アジアと日本の未来を探っていきたいと考えているからです。
 今後とも、NHKをご支援いただきますようお願いいたします。お便りありがとうございました。NHK視聴者コールセンター≫

 いったい、どこが真正面から向き合っているというのだろう。向き合っていないから、違和感を抱いた人が多いのだし、抗議という行動にも出たのだ。何とも不誠実極まる返答だ。

 日本李登輝友の会の小田村四郎会長も、この番組を観て「あまりにも実態とかけ離れている。日本語世代の発言の中で、反日的と思われる発言だけを取り上げた印象を拭えない」との感想を抱いた。そこで、本日にも小田村会長がNHKに対する抗議声明を発表することとなった。(4月8日)