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放送総局長会見 2009/4/22
 
新年度から始まった番組について
 
(日向放送総局長)
 総合テレビでは、夜10時台や、新しいシリーズが始まった深夜のEYES、土曜の夜間などで個性のある番組が増えている。「ソクラテスの人事」(毎週木・後10:00〜)は新しいスタイルの番組で可能性を感じるし、「追跡! AtoZ」(毎週土・後8:00〜)は力の入ったNHKらしい番組になっている。「ワンダー×ワンダー」(毎週土・後10:00〜)は気軽に楽しめるつくりになっている。NHKスペシャルは週1本になったが、4月10日に放送した「象徴天皇 素顔の記録」(後7:30〜)のように、テーマ、タイミングに合わせていろいろと展開していきたい。
  EYESの枠では「探偵Xからの挑戦状!」(毎週木・前0:10〜)の携帯サイトが286万ページビューとNHKの携帯サイトの中でトップを記録した。ケータイでストーリーを見ながら視聴するというスタイルの1つのモデルになるかもしれない。連続テレビ小説「つばさ」には「はしゃぎすぎ」などの声もあるが、現場では試行錯誤しながらやっているのでご理解いただきたい。
 教育テレビの「ニュースで英会話」(毎週木・前6:40〜)はクロスメディアコンテンツとして、昨年の「リトル・チャロ」とは異なり男性の利用者が広がっている。衛星波では、曜日毎に文化・芸術や紀行など、ジャンルに分けて放送する「プレミアム8」(BShi・後8:00〜)が見ごたえがあり、期待も大きい。音声波では「亀渕昭信のいくつになってもロケンロール!」(ラジオ1 隔週火・後9:05〜)が団塊世代のラジオ回帰も呼び、評判がいい。ワンセグの独自サービスも注目されている。どういうニーズがあるのか、コンテンツの可能性を今後も探っていきたい。
 
 
「あすの日本 プロジェクト」について
 
(今井放送副総局長)
 4月1日に正式に発足した「あすの日本」は、「まず 番組ありき」ではなく、報道局各部から集まった記者、ディレクターが、取材を積み上げて番組にしていく。第1回のテーマは「大失業時代を乗り越えろ」。雇用問題を重点的に取材し、5月6日(水)のNHKスペシャル「大失業時代 “中間層”の崩壊を食い止めろ」(仮)(総合・後7:30〜)を中心に、「おはよう日本」や「ニュースウオッチ9」でも特集を組む。NHKスペシャルのキャスターは柳澤秀夫解説委員と島津有理子アナウンサー。

(報道局 加藤チーフ・プロデューサー)
 NHKスペシャルでは、若い世代のフロントランナーである35歳の1万人にアンケートを実施。若い世代のみならず、全世代がこのままいけば生活を脅かされかねない実態が浮かび上がった。国内外の取材をもとに、低成長時代の解決策を探っていく。アンケート結果のほか、ドラマやシミュレーションを駆使、若い世代を含め多くの人に見ていただける番組にしたい。PRスポットやポスターには「天地人」で子役として活躍した加藤清史郎君を起用。

(柳澤解説委員)
 私は旧世代、島津アナウンサーは新世代。番組ではこの違いにこだわりながら、皮膚感覚を生かし、35歳の世代が直面している問題がすべての世代に共通する課題なのだということを伝えたい。


 
「立体生中継・LIVE」について
 
(日向総局長)
 水深1000メートルの海底から、宇宙飛行士の若田光一さんが長期滞在している高度400キロの国際宇宙ステーションまで5元中継で結んでお送りする「立体生中継・地球LIVE」(5月4日(月) 総合・後7:30〜)を放送。二酸化炭素を吸収している森と海に危機が迫っていることをとりあげていく。運用を開始した地球深部探査船からの生中継や、泥炭の分解により大量の二酸化炭素が放出されるボルネオの熱帯雨林からのリポートなどで構成 。
 
 
ドラマ「蒼穹の昴」について
 
(編成局 田村エグゼクティブ・プロデューサー)
 
浅田次郎さんの大作「蒼穹の昴」(そうきゅうのすばる)を日本と中国のプロダクションの共同制作でドラマ化する。4月15日から中国で撮影を開始。「おしん」の放送で中国でも知られる田中裕子さんが演じる西太后や、中国人の若手俳優演じる2人の主人公が、清朝が没落していく中で運命に翻弄されていく様を描く。出演はほかに小澤征悦さん、平田満さんら。43分で25本。来年1月から衛星ハイビジョンで、総合テレビでは来年度中に放送予定。
 
 
EYES・6月からのラインナップについて
 
(日向総局長)
 総合テレビ深夜の「EYESゾーン」(前0:10〜)の火曜〜金曜は、6月から新シリーズが始まる。新しい番組を多彩に繰り出していく。火曜は忘れがちな話題の出来事を読み解く「アレ 今 どうなった?」、水曜は戦場をジオラマで再現するなど新しい形で名将の極意に迫る「名将の采配」、木曜は世界の社会起業家たちを紹介する「CHANGE MAKER」をお送りする。また、金曜は、全国のNHK若手のプロデューサーとディレクターが制作するドキュメンタリー番組「ドキュメント20min.」がスタートする。
 
 
BS20周年特集番組について
 
(日向総局長)
 衛星放送の番組の中からリクエストを募る「BS20歳の名作集」投票を2月15日から3月31日まで展開し、16万票あまりのリクエストが寄せられた。投票結果は集計中だが、海外ドラマや音楽番組と並んでドキュメンタリーや硬派の番組にもたくさんのリクエストが集まっている。BS2の「最終発表!あなたが選ぶBS20歳の名作集」(5月4日(月)・後9:00〜)では、1位〜30位までのランキングをカウントダウン方式で発表する。翌日(5日(火))からBS2の「あなたが選ぶBS20歳の名作集」でリクエスト上位番組を中心に放送する。
 また、BSが開局した6月1日(月)に放送する「ガリレオもびっくり!ハイビジョン宇宙館」(仮)(BShi・後8:00〜)では、「宇宙」をテーマに3時間の特集を生放送でお送りする。2009年は「世界天文年」でもあり、ガリレオが望遠鏡で夜空を見上げてから400年、人類の月面着陸から40年。番組では、星空のロマンや宇宙の神秘を、たっぷりとお楽しみいただき、また、当日の星空を最新の超感度ハイビジョンカメラで生中継する。
 
 
「プレミアム8 アリVSフレイジャー」について
 
(制作局 大墻チーフ・プロデューサー)
 海外のプロダクションが制作した歴史番組を元に、新たな視点で時代を読み解く歴史エンターテインメント番組「世界史発掘!時空タイムス編集部」。6月の「プレミアム8」で4本を放送。「新証言・伝説のタイトルマッチ 〜1975 アリVSフレイジャー 〜」(6月9日(火) BShi・後8:00〜)では、1975年、政情不安に揺れるフィリピン・マニラで行われたボクシング史上最高といわれる試合から、世界史を見つめる。フレイジャーが初めてインタビューに答えており、世紀の対決の歴史的意味を読み解く。
 
 
5月6日(水)のラジオデーについて
 
(ラジオセンター 小見山エグゼクティブ・プロデューサー)
 5月6日(水)のラジオ第1放送では、午前8:35から午後11:00までラジオの魅力についてお伝えする。今年のキャッチフレーズは「耳を澄ませて、心も澄ます」。リスナーと番組が一体となって、ラジオの魅力を広げていく1日にしたい。南こうせつさんと千住真理子さんがラジオと音楽、そして人生にまつわるお話と素敵な生演奏をお届けする「こうせつ&真理子のミュージック・ラブ」や、浜松の音楽ライブラリーから放送する「亀渕昭信のいくつになってもロケンロール!スペシャル」などをお送りする。
 
 
その他
 
Q:NHKスペシャル「JAPANデビュー」第1回「アジアの“一等国”」の内容の一部が偏っていると外部から抗議を受けた事について
A:(日向総局長)
 番組は開国150年というタイムスケジュールの中で欧米列強を手本に近代化を進める日本の姿を描いた。一つの番組の中だけで全ての要素を平等に伝えるとストーリーがなりたたない面があるし、クリアに伝えられない。多角的な放送かどうかは放送全体で考えるべき。台湾総督府に残された膨大な資料を読み解きながら取材を進め、インタビューについても恣意的な編集をしたことは一切ないと聞いている。そういう考え方について理解を得ながら番組を伝えていきたい。
 
 
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